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決意の成功作

「待ちやがれ!」

「あはは!!捕まえてみろ」

とある実験施設を走り回る二人の少年。
二人とも5歳程の年齢である。

金髪を揺らしながら楽しむ少年に銀髪を掻き上げ必死に追いかける銀髪の少年。

「にしし。ジュラア!早く捕まえないと逃げちゃうぞ~…あ!」

「…舐めた口聞けなくしてやる」

銀髪の少年が出したであろう氷に躓きこける金髪の少年。
金髪の少年の首根っこを掴み、ひこずりながら元の場所へ戻る。

「お前もオイラの面倒見なくちゃいけないだなんて可哀相だな!」

「貴様が俺にしか実験をやらせないって言うからだろ!」

そう…金髪の少年は生体実験体で銀髪の少年はその研究者である。

「だってジュラア以外のヒトはオイラのこと道具としか見ていないもん。」

「…あたりまえだろ。貴様は実験体なんだ」

「ジュラアはこうやってちゃんと話をしてくれる」

嬉しそうに笑う金髪の少年。
銀髪の少年は表情を変えずに金髪の少年を見る。

「……貴様は実験体で俺は研究者だ。」

「違うぞ。今はもう友達だぞ。友達にならこの身体をあげても良い」

「………。」

「オイラの実験は一回勝負なんだろ?それなら仲良しな友達にやってもらいたいぞ」

「贅沢な願望だ…」

「ジュラアはそんな願望も聞いてくれる。にしし」

金髪の少年の眩しい笑顔にため息をつく銀髪の少年。

「失敗したらモンスターになる…それでも良いのか?」

「良いわけないだろ。成功させろ」

「…本当わがままな実験体だな。」

二人の笑い声が実験室に響き渡る。
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