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第3章 幾つもの思い

「…さーてと、俺様か弱いんだ。デイタ、助けてくれ」

「おいおいおい…お前何か考えがあってやったんじゃねぇのかよ?」

頭をポリポリとかきながら困ったような顔をしてるサラムに冷ややかな視線を送る。

「煽ったのは良いんだけど、悪魔の力をあんなに引き出せるようになってるとは思ってなくてよ。」

「悪魔…?」

「この世界には膨大な闇の力を持った悪魔とやらがいるらしいが、器なしでは存在できないと言われている…
アイツは悪魔の器の実験体だ」

深刻そうな顔で説明をするカヌヤ。
ちなみにラッスターは悪魔の力の迫力に気絶していた。

「そうなのか…悪魔の力を出すために自分の体を傷つけたのか…?」

「あぁ…怪我をすればそこから闇の力が溢れ出る…
怪我の度合いが大きければ大きいほど、強い闇の力が出て悪魔の力を使うことができるようだな」

「………。」

「話は後だ。悪魔様のお出ましだぜ」

「クク…出来損ないにしては良いぞ…今回はいい仕上がりだ…」

「何言って…」

「あれは泣き虫…レイじゃないぜ。言っただろ、悪魔様のお出ましだって、な!」

「!!」

剣と剣が激しくぶつかり合う音が響いた
ぶつかり合う音は鳴り続けた。

「デイタ!ちゃんと俺様を守れよ?俺様もお前のこと守ってやるから」

「サラム…!!」

サラムの呼びかけに応えるように太刀を構える。

あぁ。お前の期待に応えられるように俺も戦いたいぜ。
戦いたいんだけどよ…

「お前らの動きが全然見えねぇぜ」

「はははは!!今のは最高に面白い冗談だ!!ほら、悪魔様は待ってくれないぜ」

「のわ!」

ギリギリ攻撃を受け止めた俺は衝撃で飛ばされた。
サラムはその様子を見て頭に手を当ててため息を吐いていた。

「そっちにぶっ飛ぶなよなぁ~…」

そして心底残念そうな声で呟く。
そう…俺が飛んで行った先は…

「………。」

「いてて…あ…。

わ、悪ぃな…ヤイバ…」

寝ているヤイバの上だった。
俺は急いでヤイバの上から退けた。

「お前はとことん運が良いみてぇだな…」

「…そうか…?」

目覚めたヤイバはポツリと呟き少女の元へ足を進めていた。
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