第3章 幾つもの思い
「君たちも混乱しているだろう…なんでこんな状況になっているのか。移動しながら僕が話してあげよう!」
「…あ、あぁ…ありがとうございます…」
ここにいる誰もが思っただろう。
人の話聞かずに喋り続けるアンタに混乱してるよってな…。
ウオルは両手を広げ、空中に大きな水の塊を出している。
「さあ、君たちもこの子に乗りな。」
あっという間に水の塊は大きな鳥の姿に変わり、ウオルは捕まえたヤイバと共に鳥に乗る。
「す、すごいですぜい…!!大きな水の鳥さん…!!」
「本当すごいな…!失礼するぜ」
「焼き鳥にできないのが残念だね」
「…貴様は食うことしか頭にないのか」
感動するラッスターと俺に気の抜けたこと言うツルギにツッコミを入れるカヌヤ。
「そうだな。まずはデイタ君がなんでヤイバに狙われていたのか話そうか」
「あぁ…よろ」
「君たちが戦闘狂を倒した…いや、救ったが正しいか…その情報はすぐにラグースに入った。
ラグースの連中は君たちのことを警戒した。特にデイタ…君のことを。それで今度はウタオルに向かっているという情報も手に入れたラグースの連中はウタオル地区隊長のヤイバに君の首を取ってくるように言ったわけだ。」
「なるほ」
「そして!ここからが泣ける話だ!涙で前が見えなくて落下しても僕は知らないから覚悟し」
「ウオちゃん?もしかして俺様達の話をしようとしてる?それは言わないって約束」
「ヤイバの奴はラグースの犬っころだから何にも気にせずに君の首を取りに行こうとした!
だけど、サラムは君達の話を聞いて分かったんだ。君たちがこの世界を変える希望だってことに…!
それで…おおっと、サラム坊や。今僕に攻撃したら死ぬぞ!」
「………。」
「…すまない…気分が昂(たかぶ)って言わないって約束だったのを忘れていたようだ。この僕としたことが…君にそんな顔をさせてしまうだなんて!ぶふ!!」
「あぁ、悪ぃ。手が滑っちまったみたいだわ」
喋り続けるウオルを黙らせるかのように気絶させるサラム。
「…ソイツを気絶させて大丈夫なのか?」
「あぁ。この鳥ちゃんはウタオルに向かうように指示されているからな。ウオちゃんが寝ていても何の問題もないぜ」
「へぇ〜!この鳥ちゃん賢いんですねい!」
「飼い主もこの鳥を見習ったらどうだか」
「カヌちゃん毒舌だな〜。ウオちゃんふざけてるように見えるけどやることはやってるんだぜ?」
そう言い、ヤイバの方へ目をやるサラム。
俺たちもその視線を追う。
そこには身に付けている黒い毛皮で表情は見えないが大人しくなっているヤイバがいた。
「…寝てる…?」
「そう。この水は強力な睡眠効果もあるらしいぜ」
「…さっきまでマジで怖かったのが嘘みたいだね」
「そうか?怒っているヤイバも可愛かったな…」
「「………。」」
寝ているヤイバを愛おしそうに見つめるサラムに俺たちは生ぬるい目で見守る。
お前が気絶した後のアイツは心底恐ろしかったことは黙っておこう…。
「さてと…そろそろ着くぜ。」
「おぉ…これまた大きな街だな!」
「おおー!!見たことない綺麗な建物がたくさん並んでやす!!あ!!あの大きなお城にツムジさんがいるんですかい?」
「あぁ。ツムジ王女がお待ちかねだぜ〜」
「………。」
感動する俺とラッスターにボーッと街を眺めるツルギ。
カヌヤは何かに警戒しているようにも見える。
こうして俺たちは水の民の住処、ウタオルに着いた。
華やかな街に心を奪われていた俺は自分の首の傷が綺麗に治っていることに気づかなかった。
「…あ、あぁ…ありがとうございます…」
ここにいる誰もが思っただろう。
人の話聞かずに喋り続けるアンタに混乱してるよってな…。
ウオルは両手を広げ、空中に大きな水の塊を出している。
「さあ、君たちもこの子に乗りな。」
あっという間に水の塊は大きな鳥の姿に変わり、ウオルは捕まえたヤイバと共に鳥に乗る。
「す、すごいですぜい…!!大きな水の鳥さん…!!」
「本当すごいな…!失礼するぜ」
「焼き鳥にできないのが残念だね」
「…貴様は食うことしか頭にないのか」
感動するラッスターと俺に気の抜けたこと言うツルギにツッコミを入れるカヌヤ。
「そうだな。まずはデイタ君がなんでヤイバに狙われていたのか話そうか」
「あぁ…よろ」
「君たちが戦闘狂を倒した…いや、救ったが正しいか…その情報はすぐにラグースに入った。
ラグースの連中は君たちのことを警戒した。特にデイタ…君のことを。それで今度はウタオルに向かっているという情報も手に入れたラグースの連中はウタオル地区隊長のヤイバに君の首を取ってくるように言ったわけだ。」
「なるほ」
「そして!ここからが泣ける話だ!涙で前が見えなくて落下しても僕は知らないから覚悟し」
「ウオちゃん?もしかして俺様達の話をしようとしてる?それは言わないって約束」
「ヤイバの奴はラグースの犬っころだから何にも気にせずに君の首を取りに行こうとした!
だけど、サラムは君達の話を聞いて分かったんだ。君たちがこの世界を変える希望だってことに…!
それで…おおっと、サラム坊や。今僕に攻撃したら死ぬぞ!」
「………。」
「…すまない…気分が昂(たかぶ)って言わないって約束だったのを忘れていたようだ。この僕としたことが…君にそんな顔をさせてしまうだなんて!ぶふ!!」
「あぁ、悪ぃ。手が滑っちまったみたいだわ」
喋り続けるウオルを黙らせるかのように気絶させるサラム。
「…ソイツを気絶させて大丈夫なのか?」
「あぁ。この鳥ちゃんはウタオルに向かうように指示されているからな。ウオちゃんが寝ていても何の問題もないぜ」
「へぇ〜!この鳥ちゃん賢いんですねい!」
「飼い主もこの鳥を見習ったらどうだか」
「カヌちゃん毒舌だな〜。ウオちゃんふざけてるように見えるけどやることはやってるんだぜ?」
そう言い、ヤイバの方へ目をやるサラム。
俺たちもその視線を追う。
そこには身に付けている黒い毛皮で表情は見えないが大人しくなっているヤイバがいた。
「…寝てる…?」
「そう。この水は強力な睡眠効果もあるらしいぜ」
「…さっきまでマジで怖かったのが嘘みたいだね」
「そうか?怒っているヤイバも可愛かったな…」
「「………。」」
寝ているヤイバを愛おしそうに見つめるサラムに俺たちは生ぬるい目で見守る。
お前が気絶した後のアイツは心底恐ろしかったことは黙っておこう…。
「さてと…そろそろ着くぜ。」
「おぉ…これまた大きな街だな!」
「おおー!!見たことない綺麗な建物がたくさん並んでやす!!あ!!あの大きなお城にツムジさんがいるんですかい?」
「あぁ。ツムジ王女がお待ちかねだぜ〜」
「………。」
感動する俺とラッスターにボーッと街を眺めるツルギ。
カヌヤは何かに警戒しているようにも見える。
こうして俺たちは水の民の住処、ウタオルに着いた。
華やかな街に心を奪われていた俺は自分の首の傷が綺麗に治っていることに気づかなかった。