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第3章 幾つもの思い

「分からないだと?!ヤイバ!お前の心はなんて哀れ!!」

「「?!!」」

突然現れた薄水色の髪をした男。
水の球体を出し、ヤイバを取り込む。

「はっはっはっは!ついに!!念願のヤイバをゲットしましたよ!!ツムジ様!!」

両手を挙げて無邪気に喜ぶ男。
俺たちは唖然とその光景を見ている。

「おうおうおう。暴れたって無駄だ。水の中は嫌いか?安心しろ。呼吸はできる素敵な水さ」

「…アンタは…」

「おおっと。これは失敬。僕はツムジ様の右腕、ウオルだ。
君たちが噂のヤンチャボーイ達かな。ヤイバ相手によく頑張ったね。怖かっただろう」

「い、いや…俺はそんな大したこ」

「む?僕の可愛いサラム坊やが打ち上げられてるではないか。もしや攻撃をくらったのか?
この僕が直々に華麗な回避術を教えたというのに!なんておっちょこちょいなんだ!!」

「おい。手荒に触」

「おーい!起きろ!僕がきたぞ!!」

「…っ……

…あぁ、ウオちゃんやっと来たか…」

「サラム怪我しているじゃないか!僕の美しい弟子の手が!!一体誰にやられたんだ!!」

「ウオちゃん…?なんかテンション高すぎない?デイタ達困っ」

「あぁ!ヤイバの野郎か!それなら仕方ない!!」

「…あー…これは変なスイッチ入ってんな…ヤイバ捕まえてくれたんだな。サンキュー」

「あぁ。僕の手にかかれば猛獣も子猫ちゃんさ。さあ、ウタオルに帰るぞー!早くツムジ様の可愛い可愛い笑顔が見たい!!」

「「………。」」

俺たちは終始ウオルさんの饒舌ぶりに唖然としていた。
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