第3章 幾つもの思い

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「…ここは……」

「目が覚めたか?ガキンチョ」

目が覚めた少年は隣にいたフズに目をうつす。

「オメー名前は?俺はフズ様だぜ」

「カヌヤ…」

ポツリと言う少年。

「そうか。これから面倒見てやんぜ、カヌヤ」

「…アンタが俺を助けたのか?」

少年の目は何もかも失ったかの様に光を失っていた。

「俺は生きていても仕方がないから母さんに捨てられたんだ…何でいらないことをする」

「…本気で言っているんか?」

「本気だ。実験もできない俺はこの世界には必要な…っ!」

カヌヤの頭を掴み目線を合わせるフズ。
カヌヤは真っ直ぐな目で見られて動けずにいた。

「カヌヤ…生命(いのち)に必要あるとかないとか、そんなこと決まっていねーんだ。
みんなに平等に与えられているのが生命だ。

なくなっても良い生命なんて何ひとつもない。」

「……っ…」

フズの真っ直ぐな言葉に涙が溢れるカヌヤ。

「今日からオメーは俺たちの家族だ、カヌヤ。」

「…うん」

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