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第2章 目覚める力

「…ふぁ~。よく寝た」

背伸びをし、辺りを見渡すツノヤ。

「あれ…ツルギにファボ君…それにデイタ君たちも…何で一緒に寝てるんだっけ…」

あれから俺たちは一つの部屋で一緒に寝ていた。

「むさ苦しいねぇ…」

ツノヤは体を起こし頭をかく。

「みんな目覚めないツノヤのことが心配で夜遅くまで起きてて、いつの間にか一緒に寝てたのだぞ、にしし」

隣で寝ていたファボも目を覚まし、体を起こす。

「ファボ君…何か色々とありがとうね」

「気にするではない。

ツノヤ…主の苦しみは少しは軽くなったか?」

「…うん。死にたくなるぐらいに幸せな気持ちだよ」

「にしし!今からそんなことを言ってたら死に足りぬぞ。」

「…ファボ君。ツルギを大事に育ててくれて本当にありがとう…ツルギもすごく幸せそう」

そう言い、ツルギの頭を撫でるツノヤ。
ツルギは気持ちよさそうに顔を緩ませる。

「…やはり戻るのだな」

「…うん…オレはラグースに戻るよ…そしてこれからも陰でデンルトーを守り続けるね。」

「それが主の選んだ道なのだな…もう踏み外したら駄目だぞ?」

「あはは。気をつけるよ。」

「嫌になってもならなくてもいつでも来い。稽古ならつけてやるぞ」

「…嬉しいな。そんなこと言ったら毎日入り浸っちゃうかも」

笑い合う二人。

そして

「ツルギとデイタ君たちにもよろしく伝えといてね。…本当にありがとう。」

そう言い、その場から立ち去るツノヤ。
ファボは任せろとツノヤを見送る。

「あれ…兄貴はぁ…?」

寝ぼけながらファボの膝を枕にして問うツルギ。

「ツノヤなら帰ったぞ」

「そっかぁ…やっぱ帰っちゃうのかぁ…」

「そんな寂しそうにするではない。いつでも会えるではないか」

そう言い、わしゃわしゃとツルギの頭を撫でるファボ。
ツルギは起き上がりファボと向き合う。

「しばらくは会えないかな…長にも」

「……ツルギ…?」

「オレ、デイタ君たちと一緒にラグースを止める旅に出るよ」

ニコッと笑うツルギ。
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