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第2章 目覚める力

ーーねえ、ツノ兄!オレ今日は泣かずに頑張ったよ。褒めてーー

ーーツノ兄はオレが守ってあげるよ。オレ強いから!…なんちゃって。えへへーー

ツ…ルギ…?
そっかぁ…オレ…大事な君のことを…忘れていたんだね…。
ゴメンね…。

ーー主も悲しい思いをする必要はないぞ。我が面倒見てやるぞーー

ーーどうだ?ツルギの手料理は心に染みるだろ?一緒に暮らしたくなっただろーー

ファボ君…。
…君が…お人好しのお馬鹿さんで…本当に良かった、よ…。


「ぐぁああああ!!」

「兄貴!」

ツノヤは苦しそうにもがく。
白き炎はかき消された。

「はぁ…はぁ…お前は、一体なんなんだ…?」

「俺はデイタだ!この世界を誰もが笑い合える世界に変える男だ!!」

再び俺は白き炎を拳に纏わせる。

「ぐぅぅ…お前は…!危険だ…っ…!」

そう言い残し、姿を消すツノヤ。

「あらら…結構効いてたみたいだけど逃げられちゃったね。」

「まだだ!あの様子だとまだ近くにいるはずだ!」

「…さすがデイタ君。諦めないねぇ。多分長の元に行ってると思うよ」

「ファボの所にか?」

「うん。弟の本能がそう言ってる」

「そ、そうか…急ぐぞ!」

ツルギの本能を信じ、邸に戻る俺たち。
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