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第2章 目覚める力

「そういえば、ラグースのアジトってどこにあるんだ?」

「確かに。どこにあるんですかいね?」

ブットを出て道なりにしばらく歩いていた。
ふと重要なことに気づき、立ち止まる。
ラッスターも立ち止まり頭に?マークを浮かべている。
そんな俺たちを置いて足を進めるカヌヤ。

「お、おい!カヌヤ待つんだ。」

「…貴様らはとんだ馬鹿者だな。行き先も決めずに出るとはな」

「っう…すまねぇ」

足を止めて毒を吐くカヌヤ。
正論を言われ何も言い返せない俺とラッスター。

「…次の目的地は雷の民の住処、デンルトーを勧める。」

「雷の民の住処、デンルトー…」

「そこにラグースのアジトがあるんですかい?」

「現時点でアジトの場所までは分からないが…ラグースのアジトの場所は5大種族の住処周辺に複数あると聞いたことがある。
ラグースの情報を入手するには5大種族の長たちに聞くのが一番確実だと考える。」

「成る程な!…と言うことは、ブットにもアジトが…」

「…貴様も見ただろう。ブットそのものがラグースのアジトと化している。最初からでかい所に挑むのは無謀だ」

「ということは!小さいところから倒していくんですねい!」

「倒すのではない。情報を収集するのだ。」

「そうだな。…先ずは小さい所から情報を収集し、最終的にはラグーのいる本拠地を探し出し、ラグーを止める。」

「そうだ。貴様はせっかちな奴だと思っていたが話は分かるのだな。」

「…ラグースの奴たちと戦って痛感したんだ。今の俺ではラグースを止めることはできないってな。」

「アニキ…」

「だから、今以上にもっと強くならないといけねぇんだ。

強くなるためにも雷の民の住処、デンルトーに行くんだろ?」

「そうだ。デンルトーもラグースに支配されかけている。
だが、ラグースの奴らが完璧に支配することができていないということは、そこの長がとんでもなく強いということだ。
それにそこは大きな被害が出ておらず、ラグースと上手くやっているようだ。
要するに、そこの長ならよそ者の俺たちでも話ができる可能性があるということだ。
そして、雷の民は5大種族の中でも一番戦闘に長けている。強くなる方法も聞けるかもしれん。」

「成る程な…人当たりが良い長なんだな。」

「あぁ。恐らく5大種族の中でもダントツにお人好しだろうな。」

長相手にも平然と毒を吐くカヌヤ。

「そうと決まればデンルトーに向かうぜ!」

「おぉー!行きやすぜーい!」

再び足を進め、雷の民の住処、デンルトーに向かう。

ぶにゅ。

…が、この音によって再びを足を止められることとなる。

〈ガウウウウウウウ!!!〉

「うぁああああああ!!!アニギィイイイ!!!モンスターの尻尾踏んじゃいやした!!」

「おいおいおい!何でだ?!突然現れたのか?!」

俺の後ろに隠れるラッスター。
あまりにも恐ろし姿をした狼のモンスターに恐怖を覚えたようだ。

「ガウガウの尻尾は長いから草むらに紛れていたのだろ」

「成る程な!てか、ガウガウって言うんだなこのデケェ狼は!!」

ガウガウの攻撃を防ぎながら会話をする。

「あぁ。可愛い名前とは裏腹にどう猛なモンスターだ。見た目も凶悪だ。」

「何でそんな可愛い名前つけたんだろう、な!」

「きっと皆んなに慣れ親しんでもらうためですぜい!」

「貴様のその純粋過ぎる心は時には狂気的に見えるな」

カヌヤの冷気でガウガウを凍らせ、太刀で斬る。
そして、俺の後ろで恐ろしいことを言うラッスターに冷たい視線を送るカヌヤ。

無事にモンスターを倒した俺たちは再び足を進める。
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