このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

究極×音速GS(しゃそにGUN’s Service)

 夕暮れ、橙色に染まる教室。
カーテンが風に揺れ、古びたスピーカーから微かに歌が流れていた。

「……あれ……この歌なんだっけ。卒業のやつ?」
 
窓辺に肘をかけたソニックがぼやく。

「季節的にそうだろうな。」
 
シャドウは机に置かれた手帳を閉じ、淡々と答える。

「なーんかこういうしんみり系の曲より、もっと明るい歌聞きてぇな〜……しんみりしてると、やな事思い出しそうにならねぇ?」

「……通り過ぎてから見る景色が一番美しく見えるとも言うだろう。」
「…そうかねぇ?」
「……直ぐに分かる。」

そう言って横を向いたシャドウ。その仕草につられ、ソニックも同じ方向へ顔を向ける。

――そこに佇んでいた、一匹の貉。

「……たぬき?」
 
近付きしゃがみ込むソニック。

「似ているが……違うな。」
 
シャドウも近寄り、立ったまま冷ややかに見下ろす。

貉はふわりと動き、ソニックの腕にそっと触れた。
その瞬間、ぬめるように形を変え、二人を覆い包んでいく。

「……なんだ!?」
 
ソニックが身をよじる。

「……袖引き貉。」
 
手帳を開いたシャドウの声は冷静だった。
 
「袖を引かれた者は、まるで夢のように感じられ……"帰ろう、帰ろう"とどこからか呼ばれ、そのまま連れ去られる。……そういう怪異だ。」

闇に溶けるような声が響く。

───"………帰ろう……帰ろう…"

「……早速来たな。」

 「予定通りだ。行くぞ。」
シャドウは手帳を閉じ、足を踏み出す。

「え、行くの?」
ソニックが面食らったように声を上げる。

「当たり前だろう。なんの為に来たんだお前は。」
「うへ〜……まあ行くけどさ。」

薄闇の教室はすでに歪み始め、二人を異界へと誘っていた。
7/11ページ