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~輝りは影に憧れる~

 いつもの街。
 
 いつもの風景。
 
 そして、いつもと変わらないはずの───静寂。

 だが、違和感は確かにあった。

 あの騒がしく、落ち着きのない声が、今日は聞こえなかった。

 「シャドウ、今日はどこ行くの!?」「ちょっとカオスコントロール見せてよ!」「"僕"もそのうち飛べるかな!」「特訓付けてよシャドウ!」「カオスエメラルド見せて!あ、もちろん触んないから!……ほんとだってば!!」
 
 そんな風に、息もつかせぬほど話しかけてきた少年の声が、今日はどこにもない。

 ただ、それだけのこと。

 それだけ、なのに──

 胸の奥に、不穏なざわめきが生まれる。

 (……何故、来ない。)

 思い当たることはない。
 だが、あの少年のことだ。たとえ何があっても、目を輝かせて走ってくると思っていた。

 「……まさか、めげたわけでもないだろう。」

 独りごちる声に、微かな苛立ちが混じる。
 だがそれよりも強く───胸騒ぎが消えない。

 何処にいるのかも、何をしているのかも、分からない。

 それでも、体は勝手に動いていた。

 ひとつの宝石を取り出す。
 翠緑に輝くカオスエメラルド。

 手のひらに収めた瞬間、風が震える。

 「……カオスコントロール」

 呟きと同時に、空間がきしむ。
 シャドウの体が赤い閃光に包まれ、時空の軌道が走る。

 彼が向かう先に確証はない。
 だが、導かれるように───

 彼の意識は、無邪気に自分を追っていたはずの小さな"背中"を探していた。
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オリソニ豆知識図鑑