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~輝りは影に憧れる~

ルミナスは、走った。

 教室を飛び出し、校舎を抜け、門を越え、
 濡れたアスファルトの上を、何も考えずに、ただ──走った。

 スケボーは持っていた。けれど、乗らなかった。
 そんな自由に乗る気分じゃなかった。
 あれは楽しいときのためのものだ。今は違う。

 空はすでに灰色に沈み、雨がぽつり、ぽつりと降り始めていた。

 それでもルミナスは止まらなかった。
 靴が水たまりを踏みつけ、跳ねた泥が体にかかっても、
 冷えた雨粒が額を叩いても、ただ前だけを見て、走った。

 ───走れば、何かが消えてくれる気がした。
 ───走れば、"あの声"が聞こえなくなる気がした。

 けれど、耳の奥ではまだ鳴っている。

 「ヒーロー気取り」
 
 「孤独でいろよ」
 
 「シャドウなんだろ?」

 その言葉が、心のどこかで、自分にすら刺さっていた。

 「俺は……っ!」

 呟いた声は、雨音にかき消される。

 足が滑った。バランスを崩し、ルミナスの体が地面に投げ出される。

 膝をつき、手のひらを擦った。泥が服にこびりつき、呼吸が乱れる。
 けれど、彼はすぐに立ち上がった。

 立ち上がって、また走った。

 雨は強くなるばかりだった。

 シャドウのように、強くなりたかった。
 カオスコントロールが使えると、本気で信じてた。
 だけど今、何もできない。誰も見ていない。

 それでも、彼は走った。

 ───それしか、できることがなかったから。
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オリソニ豆知識図鑑