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第一章 壊滅する秩序

「どうした?究極生命体。簡単に壊される…なんて事はないだろう?」

 挑発するような低い声が響く。
 
 シャドウの顔に僅かな苦痛の色が浮かぶが、その瞳は決して揺るがない。静かに息を吐き、額から伝う汗を拭うこともなく前を見据える。

 「……ふん、随分口が回るようだな…」

 苦笑にも似た吐息と共に、膝を曲げて再び構える。フェイリャの蹴撃が身体に与える負荷は、確かに尋常ではなかった。だが、弱音など考える暇はなかった。

 「僕が、簡単に壊れるとでも?」

 次の瞬間、地を蹴る。ブーツが床を裂き、風圧が壁を叩く。

 真正面からの接近──だがそれは囮。

 カオスエネルギーの力で一瞬にして視界から消えたシャドウは、フェイリャの背後へと移動し一閃。
 
 だが、今度はその蹴りを腕で受け止められ、止められた足首を掴まれ投げ飛ばされる。

 投げ飛ばされてもなお、立ち上がり、向かっていく。向かっては、避けられ、蹴り込まれる。

 ──骨の軋む音が、静寂の中に響いた。

 腹に叩き込まれた一撃で、シャドウの身体がくの字に折れる。そのままフェイリャは無駄のない動きで、冷酷に踵を振り下ろした。

 「ぐ……が……っ……!」

 首元に衝撃が走り、地面に叩きつけられる。
 
  視線の先、フェイリャは一切の傷もなく、淡々とこちらを見下ろしていた。
 無感情な瞳の奥には、焦りも、高揚も存在しない。

 ──ただ、「壊す」ことだけが、目的。

 シャドウは唇を噛む。
 
 読み切ったはずの軌道も、融解する肉体のせいで無意味になる。何度攻撃を当てたと思っても、掴んだ感触は泡のように消える。

 一方的な戦い。
 
圧倒されているのは、究極生命体であるはずの自分。
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オリソニ豆知識図鑑