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第一章 壊滅する秩序

「FAILURE……そう言えば、お前には理解できるか。」

 "FAILURE" ──失敗作。

 プロジェクト・シャドウの副産物。成功体である自分とは異なる、もう1つの可能性として生み出され、そして…葬られた存在。

 それは確か、プロフェッサー・ジェラルドの研究室の奥、誰も近づかない隔離エリアの冷却カプセル。貼られていたラベルの文字は、たしかにそう記されていた。

 それが、今、目の前に立っている。

 以前プロフェッサーに見せてもらった時、その姿は黒々とした不気味な胎児の姿だった。しかし、目の前にいるのは胎児などではない。

 そんなことを考えていると、徐にフードが外される。

 その瞬間、心臓の音が煩く鼓動した。

 その顔は──マリアに似ていた。だが、決して彼女ではない。面影だけを宿したその顔には、シャドウと同じ、否、それよりも鋭く見える光が宿っていた。

 長く流れる黒髪。前髪が影のように目元を隠し、それでもなお、覗く瞳の紅はあまりにも鮮烈だった。

 全身を覆う漆黒。年齢はマリアと同じくらいに見えるが、どこか魂の奥に深い亀裂を抱えているような、そんな危うさが滲んでいる。

 シャドウは言葉を失ったまま、ただその姿を見つめる。静かに、だが確実に、緊張が高まっていくのを感じていた。
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オリソニ豆知識図鑑