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第一章 壊滅する秩序

 問題のセクターに足を踏み入れた瞬間、鼻をつく焦げたオゾンと血の臭いがシャドウを包む。

 床には、GUNの精鋭部隊が無数に倒れていた。重装備のアーマーが砕かれ、武器は無造作に放り出されている。全員が一撃で仕留められたことは明白だった。

「…誰が、こんな短時間で………」

 警戒を強めながら視線を巡らせたその時だった。立ち込める煙の向こうから、ゆっくりと表れた人影が1つ。

 黒いローブに身を包み、深くフードを被ったその人物は、足元に倒れた兵士の頭を容赦なく踏みつけた。鈍い音が鳴るが、気にする素振りもない。

 その人物は、シャドウに気が付くとそちらをまっすぐに見据える。フードの影に隠れたその瞳が、光を受けて僅かに揺らめいた。

 ──深く、濃い。深紅の瞳。

 それはシャドウ自身の眼に酷似していながらも、どこか異質な色を宿していた。

 両者の視線が交錯する不気味な沈黙の中、先に口を開いたのは、目の前の人物だった。

「お前は、シャドウだな。シャドウ・ザ・ヘッジホッグ。」

 その声が、言葉が、空気を裂いた瞬間、シャドウは怪訝な表情を隠せなかった。

 無機質で、冷え切ったその響きに、僅かにだが言い表せない不快な感触が、胸を刺す。
 
「…僕の名を……知っているのか。」

 ゆっくりと距離を詰める、フードの奥から覗く瞳と、自分のそれがまっすぐに交わる。

 違和感。それはまるで自分自身を鏡越しに見ているような錯覚。だが、そこに映る者は決して『自分』などではなかった。

「………答えろ。貴様は、何者だ。」

 足元に、破壊された武装の残骸が転がる。それを跨ぎながら、相手を見据えるシャドウ。

 静寂が、再び訪れた。だがそれは、嵐の前の静けさに他ならなかった。
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オリソニ豆知識図鑑