このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第二章 交差する思惑永い夜

 崩壊したGUNの跡地。
瓦礫と煙のただ中に、ぽつりと座り込んだ影が一つ。

 フェイリャ。

 その左手は、黒と白の可愛らしいパペットに変化していた。
モノクロの布で縫い合わされたような見た目に変形したそれは──マリアの顔立ちを模していた。

 まるで絵本の中のキャラクターのように、無垢で、優しげな表情を浮かべている。

 「……フェイリャ…フェイリャ」

 高く、柔らかい声。
 フェイリャの喉から出ているとは思えない、それはまぎれもなく───マリアの声だった。

 「ふふ……フェイリャ、すごいね……よくやったね……」

 彼は指を動かしながら、その声で何度も語りかけさせる。

 会話というよりも、一人遊び。
否、一人きりになった者の、必死の再現。

 「……マリア…俺、強くなったよ」

 足元には血に染まった破片、折れた兵士の銃、焼け落ちた通路。

 その中心で、彼はパペットを撫でながら呟いた。

 「シャドウよりも……GUNなんかよりも……」

 顔を上げる。

 赤い瞳が、まるで幼子のような脆さと、狂気の光を宿していた。

 「ねぇ……君を、守れるのは……俺だけ。そうだよね……」

 誰もいない。何も答えない。

 それでも、彼は微笑んでいた。
かつて自分を見つめてくれた、あの"目"を思い出しながら。

 歪んだ愛と、壊された記憶の狭間で、
フェイリャは、ただ静かに、人形と会話を続けていた。
7/19ページ
オリソニ豆知識図鑑