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第二章 交差する思惑永い夜

仰向けにされたベッドの上で、シャドウは静かに息を吐く。
全身の痛みが波のように引いては押し寄せ、思考を曇らせていく。

それでも、口を開いた。

「……あいつは……“フェイリャ”と名乗った」

ソニックとテイルスが顔を見合わせ、黙って耳を傾ける。

「……プロフェッサー・ジェラルドが……僕の派生として作った……失敗作……のはずだった」

喉が焼けるように痛む。言葉の一つひとつが苦しい。
それでも、シャドウは続けた。

「GUNの中で……奴が、次々と……部隊の者を蹂躙していった……精鋭たちが……抵抗もできずに……」

言葉を吐きながら、脳裏に映像がよぎる。

崩れ落ちた隊員の瞳。血に染まった廊下。
振り向くフェイリャの顔。その時だけ、マリアの顔に見えた。

「……マリアの……顔を……していた」

そこまで言った瞬間、またフラッシュが走る。

――踵が振り下ろされる。
骨がきしむ。呼吸が潰れる音。
そしてあの、無感情な瞳。

「……っく……!」

思わず、拳がベッドのシーツを握りしめる。

「マリアの声で……僕を嘲笑った……」

テイルスが顔を歪め、ソニックは拳を握りしめる。

「……心がないような奴だな……」

「……違う」

シャドウが低く否定する。

「違うんだ……完全に……機械じゃなかった。あいつは……確かに、感情を持っていた……」

視線が天井に向けられる。

「……あれは、“復讐”だった。マリアを奪った世界に対する……怒りと、執着と……狂気だ」

一瞬だけ、夢で聞いた囁きがよみがえる。

――「お前が壊したんだ。彼女の未来を」───

その言葉の重さが、シャドウの胸に深く突き刺さっていた。

「……僕は、あいつを止めなければならない」

ベッドに縛られた身体で、今は動けなくとも――
その声には、確かな決意が宿っていた。
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オリソニ豆知識図鑑