「・・・ん・・・っ」

決して良いとはいえない目覚めに名前orナマエは顔を顰める。
目を開けるといつもの景色ではなく、見慣れない天井があった。

「・・・えっ！？ここどこ！？」

バッと身体を起こすと不意に聞き慣れた声が名前orナマエを呼んだ。

ココ「あまり動かない方がいいよ、まだ完治はしていないからね」

「コ、ココさん！？あの、私・・・っ！」

混乱のあまり寝ていたベッドから降りようとしたが、それを阻むように名前orナマエを頭痛が襲う。

ココ「あぁほら、そのまま横になってて
昨日のことならちゃんと話すから」

「す、すみません・・・ん？昨日？」

ココ「うん、名前orナマエちゃん、一日中寝ていたからね
あ、ちなみにここはボクの家だよ」

「ここがココさんの家・・・
あ、すみません、迷惑をかけてしまって・・・」

申し訳ない気持ちでいっぱいの名前orナマエに、ココは何とも思っていないという風に笑顔を向けた。

ココ「いいよ、むしろあのまま放ってなんておけないしね
昨日のことなんだけど、君が倒れていたところをボクが見つけてここまで運んだんだ
これはボクが勝手にやったことだから気にしないで、ね？」

「ココさん・・・」

ココの優しさが嬉しかった名前orナマエはココに釣られて笑う。
ココはいつもの笑顔に戻った名前orナマエを見て安心した。

ココ「それで、昨日のことについてボクも聞きたいんだけどいいかな？」

「はい、そんな大したことじゃないんですけど・・・」

そう言うと名前orナマエは昨日何故あんなことになっていたか、経緯と共に話し始めた。



ココ「つまり、通りすがりの男性3人に話しかけられたと思ったら、路地裏に連れ込まれて暴行を受けた・・・ってこと？」

ココは名前orナマエが話した内容を簡単にまとめて確認した。

「はい、そういうことです」

ココ「そんなことが・・・他に何かされてない？
その、君は女性だから・・・」

恐らくココは強姦紛いのことはされていないか、と聞きたいのだろう。
名前orナマエはこの質問の意図がよくわからなかったが、特に何もされなかったので、はい、と頷いた。

ココ「そっか、よかった・・・
それにしてもそいつ等の目的は何だったんだろう、標的が君だけなのかそうじゃないのかもわからないし」

今回の件について、自分について真剣に考えてくれるココを見て、名前orナマエは疑問に思った。

「・・・何でココさんはそんなに心配してくれるんですか？」

ココ「？こんな目にあっている人を心配せずにはいられないからね」

さも当然のことのように話すココを見て、

(あぁ・・・本当にこの人は優しい人なんだ)

と改めて思った。