優しさ
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しばらく歩いていると、ゼブラの耳に遠くの草むらがざわめく音が聞こえた。
ゼブラ「やっと来やがったか」
そう呟くとゼブラは担いでいた陽輝を木の根本に置き、何も言わず去ろうとする。
「え、ちょ、ちょっとどこ行くんですか」
ゼブラ「どこでもいいだろ」
「いや良くないですけど!?依頼受けてくださいよ!」
ゼブラ「そこかよ」
ゼブラは少し考える素振りを見せた後、良い案が思いついたのか陽輝の方へ振り向く。
ゼブラ「お前の飯」
「飯?」
ゼブラ「それが報酬だ、それならその依頼受けてやる」
「ほ、報酬!?そんなの・・・
あ、何どっか行こうとしてるんですか!ちょっと!」
今度は陽輝の呼び掛けに応じることはなく、ゼブラはその場から去っていってしまった。
「えぇ・・・どういうこと・・・?」
少しの間唖然としていた陽輝だったが、周りにある草むらが揺れ、ハッと我に返る。
「!ってか、ここに一人でいるってやばいんじゃ・・・!」
ようやく今の状況を察した陽輝は草むらから出てくるであろう何かに警戒する、が。
?「陽輝!」
「さ、サニーさん!?」
草むらから出てきたのは猛獣ではなく、陽輝を追ってきたサニーだった。
「どうしてここに・・・!?」
サニー「IGOから連絡きたんだよ!何勝手にこんなあぶねぇとこに来てんだ!」
「猛獣はいないって聞いてたんですよ!嘘でしたけど」
サニー「そりゃそーだろ!
ここは一見何もねーように見えるが、植物のフリしてる猛獣ばっかだし周りの海にはキショイ猛獣がわんさかいるとこなんだよ!」
「騙された・・・!」
そう呟く陽輝をサニーは呆れながら見ていた。
サニー「ったく・・・で、何でお前はここに一人でいるんだよ」
「IGOからゼブラに依頼を受けさせてくれーって言われて来たんですよ、何度依頼しても無視されるからって」
サニー「そういうことか・・・んなことしたってあいつが言う事聞くわけねーってのに」
「確かに最初は全然ダメでしたけど一応受けてくれそうでしたよ
・・・条件付きですけど」
サニー「マジか!?あのゼブラが!?ど、どんな条件だよ?」
「えーっと・・・私の料理・・・です」
陽輝は自分でも信じられないと思っているせいか、少し言いづらそうにサニーに伝える。
サニー「何だその条件!?何がどーなったらんなことになるんだよ!?」
「わ、私にもわからないですよ・・・」
長年ゼブラ(とトリコとココ)と共に過ごしたことがあるサニーですら、今回のゼブラの発言は予想外だったらしい。
サニー「まぁとにかく、お前が無事で良かったぜ・・・さっさとここから出るぞ」
そう言いながらサニーは先に歩き出そうとするが、陽輝が動こうとしないことに気付く。
サニー「おい、どうした?」
「あー・・・実は足やっちゃいまして、あはは」
サニー「お前怪我したのか!?そーいうことは早く言え!」
「でも立てますよ、よっ・・・」
サニー「立つな馬鹿!ほら、さっさと見せろ」
怪我をしたと聞いたサニーは顔色を変えて陽輝の前に確認するようにしゃがみ込む。
こんなに心配されると思っていなかった陽輝は少し驚く。
サニーは持ってきていた救急箱から包帯を取り出し、応急処置をし始める。
真剣な表情で優しく陽輝の足に触れる様子を本人が気付いていないことをいいことに陽輝はじっと眺めていた。
(かっこいいな~、優しいな~
怪我しただけで心配してくれるなんてこと、前の世界じゃありえなかったのに
サニーさんが好きになった女の人は絶対幸せになれるよなぁ・・・
・・・いいな)
そこまで考えた陽輝は、自分が思ったことに疑問を持つ。
(・・・ん?いいな?いいなって何?)
何故そんなことを思ったのか自分でもわからずにいると、突然右足に激痛が走る。
「いっ・・・!」
サニー「我慢しろ
・・・これ、しばらくは歩けねーな」
「え!?ど、どうしよう・・・デスクワークが多いとはいえ仕事に支障が・・・」
サニー「そのすぐ仕事のこと考えるのやめろっつの
さてと・・・」
応急処置を終えたサニーは立ち上がると触覚で陽輝を持ち上げ始める。
「わっ!ビックリした・・・!触覚か・・・」
このまま浮かせた状態で運んでくれるのか、と陽輝は思っていたが、陽輝の身体はそのままサニーの腕の中に収まり、横抱きの状態になった。
「!?えっ、あ、あの・・・っ」
サニー「んだよ、歩けねーんだから仕方ねーだろ」
「いやさっきみたいな感じで触覚で運んでくれればいいんですけど・・・!?」
サニー「疲れっから嫌だ」
「疲れるって・・・あ、そういえばそんな設定ありましたね」
サニー「設定言うなし!」
そんないつも通りの会話を交わしつつ、サニーは別のことを考えていた。
サニー(こんな近くにいるってのに、いつもと変わりゃしねーし
・・・人の気も知らねーで)
一方、陽輝の方もこの会話の最中、別のことを考えていた。
(急にこんな・・・お姫様抱っこなんてやる!?しかも平然と!人の気も知らないで・・・!
推しにこんなことされたらドキドキするに決まってるじゃん・・・)
お互い別の意味合いではあるが、似たようなことを思っていたのだった。
ゼブラ「やっと来やがったか」
そう呟くとゼブラは担いでいた陽輝を木の根本に置き、何も言わず去ろうとする。
「え、ちょ、ちょっとどこ行くんですか」
ゼブラ「どこでもいいだろ」
「いや良くないですけど!?依頼受けてくださいよ!」
ゼブラ「そこかよ」
ゼブラは少し考える素振りを見せた後、良い案が思いついたのか陽輝の方へ振り向く。
ゼブラ「お前の飯」
「飯?」
ゼブラ「それが報酬だ、それならその依頼受けてやる」
「ほ、報酬!?そんなの・・・
あ、何どっか行こうとしてるんですか!ちょっと!」
今度は陽輝の呼び掛けに応じることはなく、ゼブラはその場から去っていってしまった。
「えぇ・・・どういうこと・・・?」
少しの間唖然としていた陽輝だったが、周りにある草むらが揺れ、ハッと我に返る。
「!ってか、ここに一人でいるってやばいんじゃ・・・!」
ようやく今の状況を察した陽輝は草むらから出てくるであろう何かに警戒する、が。
?「陽輝!」
「さ、サニーさん!?」
草むらから出てきたのは猛獣ではなく、陽輝を追ってきたサニーだった。
「どうしてここに・・・!?」
サニー「IGOから連絡きたんだよ!何勝手にこんなあぶねぇとこに来てんだ!」
「猛獣はいないって聞いてたんですよ!嘘でしたけど」
サニー「そりゃそーだろ!
ここは一見何もねーように見えるが、植物のフリしてる猛獣ばっかだし周りの海にはキショイ猛獣がわんさかいるとこなんだよ!」
「騙された・・・!」
そう呟く陽輝をサニーは呆れながら見ていた。
サニー「ったく・・・で、何でお前はここに一人でいるんだよ」
「IGOからゼブラに依頼を受けさせてくれーって言われて来たんですよ、何度依頼しても無視されるからって」
サニー「そういうことか・・・んなことしたってあいつが言う事聞くわけねーってのに」
「確かに最初は全然ダメでしたけど一応受けてくれそうでしたよ
・・・条件付きですけど」
サニー「マジか!?あのゼブラが!?ど、どんな条件だよ?」
「えーっと・・・私の料理・・・です」
陽輝は自分でも信じられないと思っているせいか、少し言いづらそうにサニーに伝える。
サニー「何だその条件!?何がどーなったらんなことになるんだよ!?」
「わ、私にもわからないですよ・・・」
長年ゼブラ(とトリコとココ)と共に過ごしたことがあるサニーですら、今回のゼブラの発言は予想外だったらしい。
サニー「まぁとにかく、お前が無事で良かったぜ・・・さっさとここから出るぞ」
そう言いながらサニーは先に歩き出そうとするが、陽輝が動こうとしないことに気付く。
サニー「おい、どうした?」
「あー・・・実は足やっちゃいまして、あはは」
サニー「お前怪我したのか!?そーいうことは早く言え!」
「でも立てますよ、よっ・・・」
サニー「立つな馬鹿!ほら、さっさと見せろ」
怪我をしたと聞いたサニーは顔色を変えて陽輝の前に確認するようにしゃがみ込む。
こんなに心配されると思っていなかった陽輝は少し驚く。
サニーは持ってきていた救急箱から包帯を取り出し、応急処置をし始める。
真剣な表情で優しく陽輝の足に触れる様子を本人が気付いていないことをいいことに陽輝はじっと眺めていた。
(かっこいいな~、優しいな~
怪我しただけで心配してくれるなんてこと、前の世界じゃありえなかったのに
サニーさんが好きになった女の人は絶対幸せになれるよなぁ・・・
・・・いいな)
そこまで考えた陽輝は、自分が思ったことに疑問を持つ。
(・・・ん?いいな?いいなって何?)
何故そんなことを思ったのか自分でもわからずにいると、突然右足に激痛が走る。
「いっ・・・!」
サニー「我慢しろ
・・・これ、しばらくは歩けねーな」
「え!?ど、どうしよう・・・デスクワークが多いとはいえ仕事に支障が・・・」
サニー「そのすぐ仕事のこと考えるのやめろっつの
さてと・・・」
応急処置を終えたサニーは立ち上がると触覚で陽輝を持ち上げ始める。
「わっ!ビックリした・・・!触覚か・・・」
このまま浮かせた状態で運んでくれるのか、と陽輝は思っていたが、陽輝の身体はそのままサニーの腕の中に収まり、横抱きの状態になった。
「!?えっ、あ、あの・・・っ」
サニー「んだよ、歩けねーんだから仕方ねーだろ」
「いやさっきみたいな感じで触覚で運んでくれればいいんですけど・・・!?」
サニー「疲れっから嫌だ」
「疲れるって・・・あ、そういえばそんな設定ありましたね」
サニー「設定言うなし!」
そんないつも通りの会話を交わしつつ、サニーは別のことを考えていた。
サニー(こんな近くにいるってのに、いつもと変わりゃしねーし
・・・人の気も知らねーで)
一方、陽輝の方もこの会話の最中、別のことを考えていた。
(急にこんな・・・お姫様抱っこなんてやる!?しかも平然と!人の気も知らないで・・・!
推しにこんなことされたらドキドキするに決まってるじゃん・・・)
お互い別の意味合いではあるが、似たようなことを思っていたのだった。