「ん・・・」

陽輝が目を覚ますとそこには見慣れぬ無機質な天井があった。

「・・・何これ・・・えっ、ここどこ！？あれ！？」

ガバっと起き上がり見覚えのない場所に戸惑っていると、扉から大きな男が入ってくる。

？「おぉ、目が覚めたか！」

そう言いながら笑う男はなんと、昨日まで読んでいた漫画"トリコ"に出ていたマンサムというキャラクターにそっくりだった。

「え・・・え！？なになにどういうこと！？」

マンサム？「む、どうやら混乱しているようだな」

いろんなことについていっていない陽輝が困惑していると、再び扉が開く音がする。

マンサム？「お！ちょうど戻ってきたか」

扉の方へ振り返るマンサムらしき男の先には、さらに見覚えのある男が立っていた。
足まで伸びている髪は四つの色で構成されており、その頭上には男の二、三倍はある大きな岩が浮かんでいた。

？「何だ、やっと目ぇ覚ましたのか」

「えっ・・・えぇ！？嘘でしょ！？サニーさん！？え！？」

サニー(？俺のこと知ってるのか・・・？)

マンサム「ほう、サニーのことを知ってるのか、なら話は早い
お前さんがこの研究所の近くで倒れているのを見つけてここに連れてきたのが、サニーだ」

サニー「あんなところで倒れられても邪魔なだけだし
てか、何であんなとこで・・・この第一ビオトープで、無関係のお前が倒れてたわけ？」

口調とは裏腹に鋭い目を陽輝に向ける。

「いやそんなのこっちが聞きたい・・・ってか、サニーとか第一ビオトープとかって・・・
こ、これってまさか・・・トリップしたってこと！？トリコの世界に！？」

サニー・マンサム「「とりっぷ・・・？」」

謎の単語が出てきて頭の上にはてなマークを浮かべる二人を他所に陽輝は大騒ぎし始める。

「うわ超やばい！夢？夢なら一生覚めないで～！目の前に大好きなサニーさんがいるなんてもう死んでもいい・・・！」

サニー「な、なんなんだこいつ・・・」

突然1人で騒ぎ始めた陽輝を見て引き気味で呆れるサニーだった。