“黄泉への門”を通り過ぎてから数日後。

陽輝は暇だったので海を眺めようとデッキに来ていた。

「あ～平和だ～」

柵にもたれかかりながら普段の仕事の疲れを癒やすように海を眺めていると、不意に声をかけられる。

ココ「おや、陽輝ちゃん」

「あ、ココ！相変わらずイケメンですね」

ココ「挨拶代わりみたいにしないでほしいな・・・サニーは一緒じゃないのかい？」

「あー・・・最近、サニーさんの家に居候したりどっか連れて行ってもらったりって、ずっと一緒にいてもらってるじゃないですか？
こんな時くらい邪魔者がいない時間を謳歌してほしいなーって」

ココ「邪魔者って、そんなことないと思うよ？」

「さすが四天王一の優男～！でもそういうの大丈夫なんで」

笑いながらもスパッと言い切る。

ココ(本当のことなんだけどな・・・さっき陽輝ちゃんのこと探してたし
言うなって言われたけど)

「まぁ私のことはいいんですよ、ココはどうしたんです？暇つぶしですか？」

ココ「そんなところかな、隣いい？」

「私の隣でよければどうぞー」

陽輝の返答を聞いたココは、同じように柵にもたれかかり海を眺める。

ココ「この世界にはもう慣れたかな？」

「そうですね～・・・まだ知らないことがいっぱいありますけど、とりあえず日常生活や仕事には影響してないんで大丈夫かと」

ココ「そっか、ならよかったよ
そういえば今サニーの家にいるんだよね？あいつと一緒だと大変じゃないか？」

「むしろ最高ですよ！私は、ですけどね」

ココ「そうかい？ならいいんだけど
陽輝ちゃんにたくさん迷惑かけると思うけど、あいつをよろしくね
・・・ん？」

陽輝にそう頼んだ時、ココは反対側のデッキが騒がしいことに気づく。
次第に悲鳴のようなものも聞こえ始め、二人は顔を見合わせた後、走って反対側のデッキまで向かった。