今日は陽輝の仕事が珍しく休みの日。
前の世界では漫画読んだりアニメ見たりと過ごしていたが、この世界だとそうはいかない。

何もすることがなさすぎてベッドでぼーっとしていると、ガチャと鍵を締めていたはずのドアが開く音がした。

「え！？何！？誰！？」

ガバッとベッドから飛び起きると何故か部屋の中にサニーがいた。

サニー「おいおいもう昼だぞ、いつまで寝てんだ」

「いやそれより言うべきことがあるのでは！？」

サニー「？・・・あぁ、所長から頼まれてた書類持ってきてやったぜ」

「違うそうじゃない」

聞きたいことと全然違う返しが返ってきたことに突っ込む陽輝。
差し出された書類を受け取りつつ、改めて問う。

「持ってきてくれたのは有難いですけど！
何で普通に部屋に入ってきてるんですか！鍵かけてましたよね！？」

サニー「俺の触覚があれば鍵なんて簡単に開けられるに決まってんだろ」

「めっちゃ不法侵入じゃないですか・・・」

サニー「人聞きの悪い言い方すんなし！
・・・？お前、今日休みじゃねーのか？」

陽輝の方をじっと見ながら首を傾げるサニー。

「？はい、そうですけど」

サニー「何でスーツなんだよ？」

「これしか持ってないんで」

さらっと放たれた一言に固まるサニー。
しばらくの沈黙の後、サニーが引き気味に叫んだ。

サニー「あ、ありえねぇ・・・！何で早く言わねーんだ！」

「い、いやだって、別に言う必要ないかなと・・・
まぁさすがにもう一着スーツ買わなきゃなーとは思ってますけど、ぶっ！」

急に顔に何か投げられ変な声が出る陽輝。
顔から剥がれ落ちたものはファッション雑誌だった。

サニー「ついでに買っててよかったぜ・・・
とりあえずそれ見て選んどけ！ちょっと出てくる！」

そう言い残して出ていくサニーを見送った後、唖然としていた陽輝はやることもなかったので素直に渡された雑誌を読むのだった。