すれ違いの嫉妬
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今日は、朝からヴィクトルにおつかいを頼まれた。
普段ならメイドさんが買い出しなどは行ってくれているのだが、今日はメイドさん達がみんなお休みの日らしい。
ただでさえ数が少ないメイドさんだが、帰省シーズンとのこともあり今日から3日ほどお城にはメイドさんがいないそうだ。
(えっと、頼まれたものは‥)
ヴィクトルの綺麗な字で書かれたメモを片手に、買い物をしながら街を歩いていた。
だが、事件はその時起こったのだ。
お昼ご飯を食べようと、最近出来たばかりの話題のお店に入った。
私は席について、先ほど自分が注文した料理を待っていた。
すると真後ろの方から視線を感じたので、ふと振り向くと恋人のエリス君がいた。
エリス君は、驚いた顔で私を凝視している。
そしてその隣には‥‥
とても綺麗な女性がいた。女性は豪華な衣装に身を包み、同性の私から見ても綺麗だと思う顔立ちだった。
どうやら2人で食事をしているようだった。
エリス君の隣にいる女性は、真っ赤なルージュを塗った口を開いてエリス君に聞いた。
「あら、貴方の知り合いかしら?」
私は2人から目が離せなかった。
するとエリス君が私から視線を逸らして、その女性に言った。
「いや、知り合いと見間違えたみたい。
それで、お話の続きを教えて?」
いつも私に向けている優しい笑顔を、その女性に向けていた。
そして2人で楽しそうに話をしている。
私は頭が真っ白になった。
いつの間にか料理が運ばれていたことにも気づかなかった。
味のしない料理を食べながらも、耳だけは確実に2人の会話を拾っていた。
「そうなのよ、あなた‥が以前‥‥大好きだって‥」
女性の会話からして、2人は以前から会っていたみたいだ。
(エリス君が浮気してたなんて‥。しかも無視まで‥あんなに大好きだって言ってくれたのに?)
それ以上はこの場所にいることが出来なかった。
私は溢れて止まらない涙を拭きながら、お会計をしてお店から出た。
その時エリス君がどんな表情だったのかは見ることが出来なかった。
(エリス君なんて大嫌い。結局は美人が好きだって事ね、私は遊ばれていたんだ。)
私がお城に到着する頃には目は真っ赤に腫れていた。
「おかえりー!買ってきたものは‥ってどうしたんだい!?」
ヴィクトルが出迎えてくれたが、話せる余裕がなかったので、私は買ってきたものを乱暴に机に置き、そのまま自分の部屋に閉じこもった。
ベットの上で永遠と泣いていた。
・
・
・
・
・
(あれ、もうこんな時間‥)
いつの間にかベットの上で寝ていたようだ。
目が覚めると外は既に闇に包まれていた。
時間はもう11時を過ぎていた。
本当なら今日は私が夕食を作る予定だったが、きっと皆んな食べ終わっているだろう。
(おつかいを全部終わらせられなかったことと、夕食作れなかったことヴィクトルに謝らなきゃ‥)
重たい腰をあげ、ヴィクトルの部屋に向かった。
ヴィクトルの部屋のドアをノックするとすぐに本人が出てきた。
「ヴィクトル、今日の頼まれていたおつかいと夕食の事ごめんなさい‥。その色々あって‥。」
ヴィクトルが私を見てふわりと微笑んだ。
「可哀想に!こんなに目も腫れて‥可愛いお顔が勿体無い!冷やしてあげるからお入り。君の好きな紅茶も入れようか。」
ヴィクトルの優しい言葉にまた涙が出てきた。
彼はすぐに目を冷やす為の氷と、温かい紅茶を用意してくれた。
私はソファーに座り、腫れた目を冷やしながらヴィクトルに話し始めた。
「今日お昼ご飯を食べていたら、エリス君が知らない女の人と楽しそうにランチをしてたの。
私と目が合ったんだけど、無視されて‥そして‥」
私は今日あったことを鼻声でヴィクトルに話した。
私が話しているのをヴィクトルは静かに聞いてくれた。
「それは辛い思いをさせてしまったね‥。実は、さっきまでエリスがそのことについて僕に話をしに来ていたんだ。君が良ければエリスと話してみるかい?」
ヴィクトルの思いがけない提案に驚くも、やはり本人と話すのが1番だと思った。
「うん、呼んできてほしい。でも、ヴィクトルも一緒にいて欲しいかも‥。」
「もちろんだよ!ちょっと待っててね。」
しばらくするとドアの向こうからヴィクトルと、エリス君が入って来た。
私はどうしてもエリス君の顔を見ることが出来なかった。
お互いに向かい合って立ってみたが、初めにかける言葉が見つからず沈黙が続いた。
「えっと、じゃあまずはお互いの誤解から解こうか。エリス、今日何をしていたかアンに説明してごらん。」
沈黙に耐えきれず、ヴィクトルがエリス君に言った。
「今日僕が一緒にいた女の人は会社のお金を横領した人の奥さんで‥。本人が横領した証拠が出てこなかったから、奥さんの方と僕が仲良くなって証拠を掴もうと仲良くしてたんだ。悲しい思いをさせてしまって本当にごめん‥ちゃんと事前に伝えておくべきだったよね。」
エリス君が私の手を握りながら話した。
「私のこと無視したのは、その人に私が知り合いだってバレると色々まずかったからなんだね‥。でも何で事前に私に話してくれなかったの?」
私はエリス君の瞳を見つめながら聞いた。
「ジュードに話すのを止められてたんだ。いくら仕事だからって他の女の人と彼氏が仲良くするのが平気なわけないだろう、って。」
エリス君の言葉に嘘はないような気がした。
するとヴィクトルも続いて話した。
「僕もジュードにキチンと確認を取ったよ。エリスの話は本当だ。エリスもジュードも君を嫉妬させたり余計な心配をさせたくないが為に言わなかったみたいだよ。でも、僕がおつかいを頼んでしまったばかりに‥本当に申し訳ない‥。」
「ヴィクトルは謝らないで‥!むしろ私達の痴話喧嘩に巻き込んでしまってごめんなさい。」
私はヴィクトルに頭を下げる。
エリス君が続いて説明をした。
「僕らが証拠を見つける為にあの女の人に近づいたってバレたら、あなたの身が危ないと思って無視したんだ。でも、どんな理由があるにしろあなたを傷つけてしまったよね‥ごめんなさい。」
エリス君が私の手を先程より強く握りしめて言った。
どうやら私の早とちりだったみたいだ。
「私、エリス君が浮気したんだと思った‥。勘違いで良かった‥。」
私はエリス君の胸元に顔をうずめ、泣きながら言った。
エリス君が優しく頭を撫でてくれる。
「僕が浮気なんてするわけないでしょ。世界一可愛いあなたが彼女なんだから。」
「私の方こそエリス君を疑ってごめんね‥。こんなに愛されてるのに、エリス君の事信じきれないなんて彼女失格だよね!」
私はエリス君に微笑みながら言った。
「じゃあ、仲直りということでいいかな!!いや〜!2人が仲直り出来て良かったよ!」
ヴィクトルが嬉しそうに言う。
「今日は僕の部屋で一緒に寝ようか。」
もちろんその誘いを断る理由は、ない。
「2人とも仲直りできて良かったね!もう今日はヴィクトル相談所は閉店でーす!」
私達がお礼を言ったあと、ヴィクトルは私達を押し出すように部屋から出した。
エリス君と私は2人で手を繋ぎながら、彼の部屋に向かった。
・
・
・
・
・
エリス君の部屋に着いた瞬間、彼は私をベッドに押し倒した。
仰向けに倒れた私の上に、エリス君が覆い被さってくる。
その時、私はまだお風呂に入ってなかったことに気がついた。
「エリス君、ちょっと待って!私まだお風呂に入ってないから‥!!」
エリス君が私の首元に顔をうずめて匂いを嗅ぐ。
私は恥ずかしくなってエリス君をどけようとするが、いとも簡単に両手を抑えられてしまった。
「あなたの匂い落ち着く‥もっと嗅がせて。」
「‥んっ、エリス君ッ‥!」
彼の柔らかい髪の毛が耳や首筋の敏感な所に当たって、とてもくすぐったい。
エリス君が匂いを嗅ぐのをやめ、腕枕の体制になった。
「おいで?」
エリス君の二の腕に頭を乗せ、お互い向き合う体制になる。
「こんなに目が腫れてる‥僕のせいだね、ごめん。」
エリス君が私の目に優しく触れながら言った。
「ううん、大丈夫。私の方こそエリス君のこと信用しなくてごめんね、大好きだよ。」
エリス君はギュッと私を抱きしめた。
そしてしばらくすると彼の寝息が聞こえてきた。
きっと、仕事で神経を使って疲れたのだろう。
私はエリス君の匂いに包まれて深い深い眠りに落ちた。
・
・
・
・
・
・
後日、私とエリス君はヴィクトルにお礼の品としてバターたっぷりのスコーンをプレゼントした。
「2人で作ったのかい?とても美味しいよ!!またいつでも相談しておくれ!(^^)」
普段ならメイドさんが買い出しなどは行ってくれているのだが、今日はメイドさん達がみんなお休みの日らしい。
ただでさえ数が少ないメイドさんだが、帰省シーズンとのこともあり今日から3日ほどお城にはメイドさんがいないそうだ。
(えっと、頼まれたものは‥)
ヴィクトルの綺麗な字で書かれたメモを片手に、買い物をしながら街を歩いていた。
だが、事件はその時起こったのだ。
お昼ご飯を食べようと、最近出来たばかりの話題のお店に入った。
私は席について、先ほど自分が注文した料理を待っていた。
すると真後ろの方から視線を感じたので、ふと振り向くと恋人のエリス君がいた。
エリス君は、驚いた顔で私を凝視している。
そしてその隣には‥‥
とても綺麗な女性がいた。女性は豪華な衣装に身を包み、同性の私から見ても綺麗だと思う顔立ちだった。
どうやら2人で食事をしているようだった。
エリス君の隣にいる女性は、真っ赤なルージュを塗った口を開いてエリス君に聞いた。
「あら、貴方の知り合いかしら?」
私は2人から目が離せなかった。
するとエリス君が私から視線を逸らして、その女性に言った。
「いや、知り合いと見間違えたみたい。
それで、お話の続きを教えて?」
いつも私に向けている優しい笑顔を、その女性に向けていた。
そして2人で楽しそうに話をしている。
私は頭が真っ白になった。
いつの間にか料理が運ばれていたことにも気づかなかった。
味のしない料理を食べながらも、耳だけは確実に2人の会話を拾っていた。
「そうなのよ、あなた‥が以前‥‥大好きだって‥」
女性の会話からして、2人は以前から会っていたみたいだ。
(エリス君が浮気してたなんて‥。しかも無視まで‥あんなに大好きだって言ってくれたのに?)
それ以上はこの場所にいることが出来なかった。
私は溢れて止まらない涙を拭きながら、お会計をしてお店から出た。
その時エリス君がどんな表情だったのかは見ることが出来なかった。
(エリス君なんて大嫌い。結局は美人が好きだって事ね、私は遊ばれていたんだ。)
私がお城に到着する頃には目は真っ赤に腫れていた。
「おかえりー!買ってきたものは‥ってどうしたんだい!?」
ヴィクトルが出迎えてくれたが、話せる余裕がなかったので、私は買ってきたものを乱暴に机に置き、そのまま自分の部屋に閉じこもった。
ベットの上で永遠と泣いていた。
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(あれ、もうこんな時間‥)
いつの間にかベットの上で寝ていたようだ。
目が覚めると外は既に闇に包まれていた。
時間はもう11時を過ぎていた。
本当なら今日は私が夕食を作る予定だったが、きっと皆んな食べ終わっているだろう。
(おつかいを全部終わらせられなかったことと、夕食作れなかったことヴィクトルに謝らなきゃ‥)
重たい腰をあげ、ヴィクトルの部屋に向かった。
ヴィクトルの部屋のドアをノックするとすぐに本人が出てきた。
「ヴィクトル、今日の頼まれていたおつかいと夕食の事ごめんなさい‥。その色々あって‥。」
ヴィクトルが私を見てふわりと微笑んだ。
「可哀想に!こんなに目も腫れて‥可愛いお顔が勿体無い!冷やしてあげるからお入り。君の好きな紅茶も入れようか。」
ヴィクトルの優しい言葉にまた涙が出てきた。
彼はすぐに目を冷やす為の氷と、温かい紅茶を用意してくれた。
私はソファーに座り、腫れた目を冷やしながらヴィクトルに話し始めた。
「今日お昼ご飯を食べていたら、エリス君が知らない女の人と楽しそうにランチをしてたの。
私と目が合ったんだけど、無視されて‥そして‥」
私は今日あったことを鼻声でヴィクトルに話した。
私が話しているのをヴィクトルは静かに聞いてくれた。
「それは辛い思いをさせてしまったね‥。実は、さっきまでエリスがそのことについて僕に話をしに来ていたんだ。君が良ければエリスと話してみるかい?」
ヴィクトルの思いがけない提案に驚くも、やはり本人と話すのが1番だと思った。
「うん、呼んできてほしい。でも、ヴィクトルも一緒にいて欲しいかも‥。」
「もちろんだよ!ちょっと待っててね。」
しばらくするとドアの向こうからヴィクトルと、エリス君が入って来た。
私はどうしてもエリス君の顔を見ることが出来なかった。
お互いに向かい合って立ってみたが、初めにかける言葉が見つからず沈黙が続いた。
「えっと、じゃあまずはお互いの誤解から解こうか。エリス、今日何をしていたかアンに説明してごらん。」
沈黙に耐えきれず、ヴィクトルがエリス君に言った。
「今日僕が一緒にいた女の人は会社のお金を横領した人の奥さんで‥。本人が横領した証拠が出てこなかったから、奥さんの方と僕が仲良くなって証拠を掴もうと仲良くしてたんだ。悲しい思いをさせてしまって本当にごめん‥ちゃんと事前に伝えておくべきだったよね。」
エリス君が私の手を握りながら話した。
「私のこと無視したのは、その人に私が知り合いだってバレると色々まずかったからなんだね‥。でも何で事前に私に話してくれなかったの?」
私はエリス君の瞳を見つめながら聞いた。
「ジュードに話すのを止められてたんだ。いくら仕事だからって他の女の人と彼氏が仲良くするのが平気なわけないだろう、って。」
エリス君の言葉に嘘はないような気がした。
するとヴィクトルも続いて話した。
「僕もジュードにキチンと確認を取ったよ。エリスの話は本当だ。エリスもジュードも君を嫉妬させたり余計な心配をさせたくないが為に言わなかったみたいだよ。でも、僕がおつかいを頼んでしまったばかりに‥本当に申し訳ない‥。」
「ヴィクトルは謝らないで‥!むしろ私達の痴話喧嘩に巻き込んでしまってごめんなさい。」
私はヴィクトルに頭を下げる。
エリス君が続いて説明をした。
「僕らが証拠を見つける為にあの女の人に近づいたってバレたら、あなたの身が危ないと思って無視したんだ。でも、どんな理由があるにしろあなたを傷つけてしまったよね‥ごめんなさい。」
エリス君が私の手を先程より強く握りしめて言った。
どうやら私の早とちりだったみたいだ。
「私、エリス君が浮気したんだと思った‥。勘違いで良かった‥。」
私はエリス君の胸元に顔をうずめ、泣きながら言った。
エリス君が優しく頭を撫でてくれる。
「僕が浮気なんてするわけないでしょ。世界一可愛いあなたが彼女なんだから。」
「私の方こそエリス君を疑ってごめんね‥。こんなに愛されてるのに、エリス君の事信じきれないなんて彼女失格だよね!」
私はエリス君に微笑みながら言った。
「じゃあ、仲直りということでいいかな!!いや〜!2人が仲直り出来て良かったよ!」
ヴィクトルが嬉しそうに言う。
「今日は僕の部屋で一緒に寝ようか。」
もちろんその誘いを断る理由は、ない。
「2人とも仲直りできて良かったね!もう今日はヴィクトル相談所は閉店でーす!」
私達がお礼を言ったあと、ヴィクトルは私達を押し出すように部屋から出した。
エリス君と私は2人で手を繋ぎながら、彼の部屋に向かった。
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エリス君の部屋に着いた瞬間、彼は私をベッドに押し倒した。
仰向けに倒れた私の上に、エリス君が覆い被さってくる。
その時、私はまだお風呂に入ってなかったことに気がついた。
「エリス君、ちょっと待って!私まだお風呂に入ってないから‥!!」
エリス君が私の首元に顔をうずめて匂いを嗅ぐ。
私は恥ずかしくなってエリス君をどけようとするが、いとも簡単に両手を抑えられてしまった。
「あなたの匂い落ち着く‥もっと嗅がせて。」
「‥んっ、エリス君ッ‥!」
彼の柔らかい髪の毛が耳や首筋の敏感な所に当たって、とてもくすぐったい。
エリス君が匂いを嗅ぐのをやめ、腕枕の体制になった。
「おいで?」
エリス君の二の腕に頭を乗せ、お互い向き合う体制になる。
「こんなに目が腫れてる‥僕のせいだね、ごめん。」
エリス君が私の目に優しく触れながら言った。
「ううん、大丈夫。私の方こそエリス君のこと信用しなくてごめんね、大好きだよ。」
エリス君はギュッと私を抱きしめた。
そしてしばらくすると彼の寝息が聞こえてきた。
きっと、仕事で神経を使って疲れたのだろう。
私はエリス君の匂いに包まれて深い深い眠りに落ちた。
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後日、私とエリス君はヴィクトルにお礼の品としてバターたっぷりのスコーンをプレゼントした。
「2人で作ったのかい?とても美味しいよ!!またいつでも相談しておくれ!(^^)」
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