情熱のヴェルギリウス
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謙也は私の事がとても好きなのだ。付き合い始めてまだ一年経ったか、それくらいの時期の話であったがそう痛感するのは我が身の有様がそれを物語るからである。
私は謙也の誕生日にとある贈り物をした。その日の夜、自分に電話を寄越さないと拗ねる謙也を宥めて朝練より少し早く2人で会って私が贈ったのはハーバリウムだった。謙也をイメージして作ったんだと言うと彼は嬉しそうに、そして恥ずかしそうに笑って「夢主から見た俺ってこんな綺麗なん?」と照れ隠しのつもりか小さく小突かれた。
しかしそれだけではなかった、電話の際に特別な贈り物をすると約束した割にはこれだけでは彼としても満足できるわけもなく拍子抜けした顔をしているのを見逃しはしなかった。
「たったこれだけかって思っただろう」
「え、いや、そういうわけやないけど」
「…まだあるよ、贈り物」
そしてキスをした。私からキスをするのはその時が初めてだった、それに私たちはキスを何度もするようなタイプではないためそうした行為には多少なりとも恥じらいがあったが私は謙也に少しでも愛情を示してやりたかった。
「謙也が望むならいつでもするよ、私から、ね」
顔を真っ赤にして口をぱくぱくとする謙也はとても可愛らしかった。私も彼氏に相当甘い、こういう顔を見れるのは彼女の特権だなと嬉しくなってしまった。
しかしそれがある意味謙也の奥底にある愛情を引きずり出したのだろう。
ベッドの上に座り込みながらも謙也は私の二の腕を掴んで離すことはなくちゅぷちゅぷと妙な音を立てて舌を入れては絡めてを繰り返した。途中で漏れる吐息はもう子供のそれではなかったし謙也は何かを探るように入念に行為を行っている。たかがキスするだけなんてもんじゃない、とても強い欲望に当てられて歯止めが効かなくなってる、もはや言葉を用いる必要もないかのようだ。
私だって初めてだし謙也だって初めてなのに彼はさも当然のようにこうしている、AVで得た知識なのかは定かではないが普段の謙也からかけ離れすぎたその姿にたじろいだもののこうした変化は付き合えば起こり得るものなのだろうと自分を納得させた。
暫くして名残惜しそうに謙也は私から離れると唾液が糸を引いて垂れ落ちた、それを掬い上げるように舌を突き出しながら私の口の周りをゆったりと舐めた後彼は高揚を抑えきれず私をゆっくりとベッドに押し倒した。
「はぁ、はぁ、夢主…夢主」
私を抱きしめながら彼は大きく息を吸った、なんというか、ずいぶん変態的で彼らしくないと言うとその通りであるがこれが素であるのやもしれない。愛情が欲望に支配されると人間はあられも無い姿になってしまう、現に謙也はいつもの快活な笑みを浮かべることもなく夢中になって私を貪っている。
「夢主、キスしてくれるんやろ?な?」
期待するように自分の頬をなぞりながら謙也は私を見つめている、目を細めてうっとりとしている彼に小さく頷いて私は口付けた。
「かわええキスやなあ、俺なんて我慢できへんかったのに。なぁ、舌入れてくれへん?夢主からして欲しい」
満足いかない彼はずけずけと欲望を口にする。すりすりと指の腹で皮膚を撫でながら乱れた呼吸で私を待ち望む謙也は私よりも大人でそれでいて子供だった。