▶郭嘉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
郭嘉の人生に淡い色を与えたのは他でもない名前であったが、混ざり合えば混ざり合うほどその色は過激に変色し艶やかで毒々しく人を魅せると同時に人を拒む禍々しさを孕んでいった。
郭嘉の美しい顔がより美しく見えるのはその色がどこにも属していないがためであろう、しかしその色を与えたのは紛れもない名前である。とはいえど名前が率先してそのようなことをするわけがなく誘導され郭嘉の肉と心を染め上げていったことなど本人は自覚もない。
染まることの快楽とはこれほどまでに甘美だとは。染め上げる側にいた郭嘉は初めて知る感覚にとことん溺れ名前を求めると彼女も拒まず次第に彼をひどく甘やかした。溺れさせようとした自分がまさかこれほど手痛く返されることになるとは、それすら悦楽に転じさせて郭嘉は名前へとのめりこんでいくがそののめり込み方には些か名前もたじたじになっているらしい。
「名前殿」
「郭嘉」
「良いでしょう」
「今…執務中だけれど」
「私は今がいいんだ」
椅子に座り真面目に仕事に取り組む名前の膝の上に跨って郭嘉は耳に、口に、頬に、とにかくできるだけ口づけてくるのでふやけてしまうのではと目を伏せながら名前は思うが恐らく自分が良いと答えを出すまで続くのだろう。
郭嘉が妻であれば存外可愛いことをと思って旦那は抱くのであろうが、そもそも妻である自分が夫をそれほど激しく求めるものであろうか。世間体がわからないにしろ郭嘉のがっつき方といったら獣のように激しい癖に、そうは見えないほど蕩けた桃のように甘い香りを漂わせて淫らに誘うため攻守などあったものではないのだ。とにかく二人で溶けたがるように強請るのがいよいよ職務中にまでくると流石に名前も頭を悩ませた。
しかしこれが今回初めてというわけでもないのが更なる悩みの種なのだ。欲望に忠実なことこの上ない輩を諫めようにも応えなければ拗ねる上に仕事をほっぽりだすぞと言わんばかりに機嫌を損ねる。子供ではないのだからと言い聞かせようものならさらに拗ねて手が付けられなくなるのは必須、端正な顔の癖してなんと面倒なことかと名前は彼のいない場で幾度ため息をついたことか。
「私が他の女性を抱けるわけがないことぐらい知っているだろう」
「それはよくわかっている」
「これ以上焦らされたら後が怖いよ」
「脅しじゃないかそれは…」
「堪え性のある男じゃないんだ、私は」
「いや、しかし…」
昨日したばかりではないかと言うのも忍びない。もはや言ったところで聞くような男ではないことを理解しているのが悲しいところである。
しかも戦場に身を置いていた名前のほうが基礎的な体力はあるはずなのにそういった行為になると郭嘉は途方もないほどの精力で名前を組み敷くのだからたまったものではない。体の隅から隅まで丁寧に愛でられ意識が飛んでもなお愉しんでいるのだからまともではないなと思うがそういう人間に仕立ててしまったのは皮肉にも名前であることを悟り項垂れるばかりだ。
正直行為以外では何の不満もない。多少独占欲が強い気はあるものの慣れればそんなにと思うし基本的に互いの立場をよく理解し戦場でも郭嘉は名前を素晴らしい手駒として使い、名前は郭嘉の手駒として従順に働いた。二人は番としてはとても強固な絆に結ばれてこの夫婦に敵などないと曹操らにも評されるほど素晴らしいほどの連携を放つのに何故この手のことには協調性もへったくれもないのか。
「いつしても心地が良いのだから仕方がないね。体の相性が良すぎるというのも考えものだ」
「ならせめて体を労わるほうに目を向けてくれれば嬉しいんだが」
「貴方の体力なら今少ししたぐらいでも問題はないはずだよ。私は貴女の隅々まで知っているのだから諦めてくれないかな」
「…わかったよ、本当に少しだけだよ」
両腕で脇の下からぐっと自分を抱きしめて体を密着させてくる郭嘉に白旗を上げるしかない名前は彼を抱き上げて仮眠室の扉を蹴るように開けてそのまま寝台に彼を押し倒して口づけると郭嘉は嬉しそうに名前の髪に指先を絡めながら待ちに待った感触に蕩けた顔で何度も舌を絡めた。
「(やはり名前殿は私には甘いな)」
はだけた衣服の隙間から覗いた肌には幾度もそうしたことが伺えるほど赤く色づいているにも関わらずやはり郭嘉は彼女を求めずにはいられなかった。
その後ぐったりとした名前が賈詡の下へ書簡を持って行くと酷く同情した彼は茶を出し名前はそれをちびちびと飲みながらため息をつく一方郭嘉は満足そうに荀彧の下へ向かったそうな。