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小さな君との出会い



 一週間後に迫った、職場体験学習。その詳細を知らせる用紙が掲示板に貼り出されたのを目にした瞬間、鷹峯はそこがクラスメイトが揃う教室であることを忘れて声を上げていた。
「何だよこれ!」

 昼休み。鷹峯は昼食を取ることもなく、授業が終わると真っ先に職員室を目指した。足早に廊下を進み、階段を二段飛ばしで下りていく。すれ違う生徒がみなこちらを振り返るが、そんな視線は全く気にならない。
 鷹峯達中学三年の教室がある三階から一階までを駆け下りれば、時間は一分もかからなかった。
 一階の階段正面には生徒用の下駄箱があり、その手前には事務室の受付がある。それを横目に右へと曲がれば、そこには三階まで吹き抜けになっている玄関ホールがある。主に来賓を迎い入れるためのホールで、そこを囲むように保健室や職員室、さらには理事長室など教員に関わる部屋が設けられている。
 そんな玄関ホールを真っ直ぐ突っ切れば、奥にあるのが職員室。鷹峯の目的の場所だ。
「大湖先生!!」
 扉を勢いよく開き、遠慮もなく声を張り上げる。室内にいた教員が一斉にこちらを見たが、鷹峯は欠片も気に留めなかった。“もっと静かに入ってこい!”と怒鳴る声がしたが、無視した。
「なんだ。どうした鷹峯」
 鷹峯のいる扉の斜め右、連なった白い机の一つに弁当を広げていた担任の曇大湖が、驚いた様子で瞬きを繰り返していた。探していた相手がいたことに安堵しつつ、鷹峯は内心の怒りをあらわに大湖へ近付いた。
「今度の職場体験、あれどういうことだ」
「どういうって?」
「俺の行き先だ!何でよりによって保育園なんだよ!」
「何でって、お前が希望用紙に書いたんだろ」
「俺が書いたのは、保育園以外ならどこでもいい、だ!」
 今よりさらに一週間ほど前、今回の職場体験で希望する学習先を記入する用紙が生徒全員に配られた。そこには第三希望まで書く欄があったが、鷹峯はほぼ白紙で提出した。“保育園以外ならどこでもいい”という一文を添えて。それなのに、鷹峯が行くことになったのは、よりによってその保育園だった。
「あれ?俺はてっきり保育園がいいのかと。子供嫌いのお前がようやく克服する気になったのかと嬉しく思ったんだぞ」
「絶対にわざとだろっ。ガキは今でも嫌いだし好きになる予定もない」
「そんなこと云うな。お前も将来自分の子供を持つことになったら、きっと可愛く思えるさ。そうだ、この間うちの子がさ」
「悪い、俺昼飯まだだから戻る」
 大湖の言葉を遮り、鷹峯は早口にそう告げると急いで職員室を出た。後ろで大湖が呼んできたが、聞こえなかったふりをする。
 大湖が自分の子供の話をし出すと、こちらの都合もお構いなく長時間その口が止まることはない。聞いてもいないのにぺらぺらと、息子が父の日に似顔絵をプレゼントしてくれただの折り紙をくれただの、にやけ顔で語り出すのだ。自分の子供とはいえ、“ガキ”から貰ったそれらがどうしてそんなに大切なのか、頭では分かっても感情面では理解できなかった。
 今回は話ができなかったが、何とか大湖を説得して、訪問先を変えてもらうしかない。教室に戻る道すがら、どうやって担任の男に話をつけるかだけを考えていた。

 そして、職場体験当日。
 結論から云うと、鷹峯の希望が通ることはなかった。“決定事項だから”と、大湖にはばっさりと変更を却下された。ダメもとで他のクラスの担任にも話をしたが、返ってくるのは大湖と同じ回答ばかり。一番教員歴の長い女性教師には事情を話すと、「大変ね」と同情されたが、最終的には「これも一つの経験と思って頑張って」と肩を叩かれた。
 こうして、結局当初の予定通り、鷹峯は数名の同級生と共に学校近くの保育園を訪れることとなった。ちなみに、男子は鷹峯一人で、他のメンバーは全員女子だ。これがまた、鷹峯の気分をさらに重たいものにしていた。
 生まれつきの強面と体格の良さ、それからよく喧嘩に巻き込まれる体質のせいで、男女問わず鷹峯と関わろうとするものは少ない。決して嫌われてるわけではないが、敬遠されてるのは間違いないだろう。実際、今日一緒に職場体験に参加する女子の数名は、鷹峯から距離を取って不安そうな顔をしていた。リーダーを務めてる女子が気兼ねなく話せる相手であったことがせめてもの救いだ。
 目的地である私立の保育園に着いたのは、それから数分後のことだった。園長や数名の職員に迎えられ、簡単な挨拶を交わす。時刻はお昼過ぎ。すでに園児達はお昼ご飯と昼寝を終え、つい先ほど起床したばかりだという。
「まずは子供たちの前で挨拶をしてもらって、その後全員で工作をしたいと思います。それからは自由に遊んでもらいますね。あと…」
 一日の流れや園内の施設、注意事項について説明を受ける。細かいことはその都度教えてくれるとのことで、すぐに園児と対面することになった。
 子供というのは、動物に近いと思う。こちらが敵意や嫌悪感や苦手意識を持っていると、それを敏感に感じ取る生き物だ。ただでさえ、子供からしたら自分より大きな中学生はそこにいるだけで怖くてもおかしくないのに、“嫌い”という意識を隠すことのできない鷹峯は完全に子供たちから恐怖の対象になったようだった。その証拠に、一人として鷹峯の傍には寄ってこない。
 そのため、鷹峯は園児と遊ぶことはせず、代わりに荷物運びや喧嘩する園児を無理矢理引き離す役目など、力が必要な仕事をすすんで手伝うことにした。さすがに、仕事が増えて大変にも関わらず、中学生の職場体験を受け入れてくれている手前、何もせずに帰るのは心苦しい。
「思ったより、忙しいんですね。保育士って」
 室内の床に座って園児を眺めながら、鷹峯に仕事を教えてくれていた保育士の女性に向けて云う。彼女はこの園内では中堅にあたるらしく、若い保育士の指導も担っているそうだ。
「子供の世話して、怪我しないように見ながら心の方も面倒見ないといけない上に、教材作ったりデスクワークもあるんでしょう。俺には無理だ」
 ここに来てまだ二時間ほどしか経ってないが、素直に感じたことを口にする。保育士の彼女は気を悪くした様子はなく、朗らかに笑った。
「鷹峯君は子供嫌い?」
「…苦手です」
 さすがに嫌いと断言するのははばかられ、控えめに答える。
「理屈が通じない相手が苦手なんです。すぐイラついてしまって、それで怒ると泣くから余計に」
「…そう。なるほどね」
 彼女が頷く。
「私も、昔は何で分からないのって思うことがあったわ。それでイライラしちゃったことも。でも、それは仕方ないことなのよね。子供には子供の世界があって、私たちとは認識も知識も違う。だから通じないことがあっても当然。それは大人同士でもあることでしょ?」
「…はい」
「それに、子供たち一人一人の世界も違うわ。もしかしたら、鷹峯君が好きになれる世界を持った子がいるかもしれない」
 自分が子供を好きになる。それは鷹峯には想像できないことだった。
 ガラリと、外から部屋の引き戸が開けられた。顔を上げると、そこには少し前から姿を消していた園長の女性がいた。その傍らには、初めて見る子供が立っている。
 柔らかそうな淡い茶色の髪。白い肌。男か女か分からない顔は子供ながらに整っていて、美形という表現がぴったりだ。大きな瞳は髪と同じ色をしていて、真っ直ぐ前を向いていた。
「園長」
 保育士の女性が立ち上がり、園長へと近付く。鷹峯も思わず腰を上げていた。
「蒼世君、大丈夫?」
 身を屈め、女性が子供にそう尋ねる。蒼世と呼ばれた少年は、小さく頷いた。それから二言三言交わした後、少年は彼女達から離れると棚へと向かい、絵本を一冊手に取って机に置いた。他の園児達から離れ、一人で本を読むらしい。その姿を無意識に見詰めていると、不意に目が合った。澄んだ大きな瞳が、こちらを見る。一瞬、鼓動が跳ねた。少年は鷹峯から目線を移し、鷹峯のすぐ横を見ると、「あ」と何かに気付いた顔をした。何だと鷹峯が首を傾げ、少年の目線の先を見ると、そこには有名な黄色い電気ネズミのぬいぐるみが転がっていた。もしかして、これが欲しいのだろうか。ネズミのぬいぐるみを持ち上げると、鷹峯はそれを掴んだまま少年の傍に寄った。
 後から思えば、どうして避けていた子供に自分から近付いたのか、明確な理由は分からない。ただ、鷹峯の脳内では先ほど聞いた女性の言葉がずっと響いていた。
「こいつ、いるのか」
 椅子に座る少年と目の位置を合わせ、尋ねる。
「…うん」
「ほら」
「ありがとう」
 ぬいぐるみを受け取ると、少年はぎっとそれを抱き締めた。そして、鷹峯を見上げてお礼を口にする。子供から礼を云われたのは、それが初めてだった。何となく、こそばゆい。
「あべそうせい」
「ん?」
「名前。そうせいって名前」
 ああ、自己紹介してくれてたのか。“そうせい”と小さく声に出すと、少年はどこか嬉しそうに表情を明るくした。
「ちょっとまって」
 席を立ち、本やおもちゃが並ぶ棚へと駆けていく。戻ってきた少年の手には、画用紙とクレヨンがあった。
 大きな画用紙を広げ、そこに青いクレヨンで文字を書いていく。ゆっくりと一本一本確かめるように、少年はクレヨンを動かしている。拙い字だが、それが漢字であることは判別できた。時間がかかりそうだと思い、隣の椅子に腰を下ろす。
「蒼世?」
 少年が書いた字を読めば、少年はこくこくと頷いた。
「まだ、かんじうまくないんだけど」
「いや、その歳で書ければ充分だろ」
「お兄ちゃんは?」
「俺?俺は鷹峯誠一郎」
 名前を聞かれていると分かり、オレンジのクレヨンを借りて、画用紙に滑らせる。青いクレヨンで書かれた蒼世の文字の上に、鷹峯の名前が記される。ふりがなを小さく書いてやって、クレヨンをケースに戻した。
「鷹峯…さん?先生?」
「恥ずかしいから鷹峯でいい。あと、俺はただの中学生」
「鷹峯」
 小さな口から出た自分の名前。子供に呼ばれることなど滅多にないので、やけに新鮮に感じられた。だが、悪い気はしない。
「たか、みね、せいいちろう…」
 今度は赤いクレヨンで、蒼世が鷹峯の書いた文字を手本にするように何度も確認しながら、鷹峯の名前を書いていく。あまりに一生懸命な横顔に、思わず顔が綻んでいた。
「むずかしい…」
 ぐにゃぐにゃになった赤い鷹峯誠一郎の並び。鷹峯はまた笑っていた。
「鷹って、とりの鷹?」
「ああ、そうだ」
「絵ならかけるかも」
 蒼世は新しい画用紙を出すと、茶色のクレヨンで絵を描き出した。黙って、それを見守る。丸い嘴、やたら大きい目、辛うじて翼とわかる刺の束。
「…妖怪か?」
 思わず、鷹峯はそう呟いていた。それを聞いた途端、蒼世の口元がへの字に曲がる。むっと拗ねた顔で、抱えていたネズミのぬいぐるみでバシッと叩いてきた。
「鷹!」
「っ、やめろ!どう見ても妖怪だろ!」
 若干イラついて、声を張り上げる。直後に、やってしまったと我に返った。同じことをして、過去に何度も子供に泣かれてきたのだ。
 しかし、蒼世は泣き出すどころか、怯んだ様子もなく、逆に鷹峯を睨み付けてきた。
「じゃ、鷹峯もかいてみろ」
 画用紙とクレヨンが目の前に叩き付けられる。ついには喧嘩を売ってきた。相手が子供とはいえ、買わない理由はない。
「絶対にお前よりはマシに描ける」
 クレヨンを握り、記憶を辿りに線を繋いでいく。実物を見たことはないが、写真や映像ではいくらでも目にしたことがある鳥だ。それなりに描けるのではないか。そう過信していた。
「……何だこれ」
「何って鷹だ」
「ただの鳥にしかみえない」
「お前の妖怪よりマシだ」
 出来上がったのは、客観的に見ても蒼世よりははるかに鳥類だと思える、しかし分かるのは鳥だという点だけという何とも云い難い絵だった。鷹どころか、これではカラスなのかアヒルなのかすら区別できない。
「もっと嘴が鋭いのか?」
「それよりあたまの形がおかしい」
「頭?頭はこんな感じの…」
「…何かちがう」
「何かってなんだよ」
 二人で頭をひねりながら、あーでもないこーでもないと鷹の絵を量産していく。二枚目の画用紙がクレヨンで塗り潰されたところで、鷹峯は限界を迎えた。
「あーもう無理だ!図鑑ないのか?もしくは鷹が描いてある絵本とか」
「ずかんならある」
 蒼世が立ち上がる。図鑑を取りに行くのだろう。一人で行かせるのも悪いので、鷹峯も蒼世の後に続いた。
 それからの時間はあっという間に過ぎた。二人で並んで座り、真っ白な画用紙に次々と絵を描いていった。蒼世が犬を描けば、鷹峯もその隣に蒼世より大きな犬を描く。そして、どちらが上手いだのここは違うだのと指摘し合うのだ。
 そして、最後に蒼世が描いたのは、鷹峯の似顔絵だった。画用紙を一枚めくり、新しい用紙を出した蒼世は、突然無言でじっと鷹峯を見つめてきた。その視線がどことなく真剣に思え、鷹峯は彼が何か云いたいことがあるのかと身構えた。しかし、いつまでたっても蒼世は口を開かない。ただ、鷹峯の顔を見上げているだけだ。
「なんだ?」
 痺れを切らし尋ねれば、蒼世は何も云わず、目をそらした。そして、クレヨンを取ると紙の上を走らせていく。
「何描くんだ?」
「鷹峯」
 最初、名前を呼ばれたのかと思った。しかし、そうではないのだとすぐに気付く。
 蒼世が絵にしているのは、人の顔だった。黒とオレンジが混ざった特徴的な髪色。それは、間違いなく鷹峯のものだ。
「…似顔絵は上手いんだな」
 素直に感想を漏らす。二頭身ほどの体で、体より顔が大きいためやけに可愛らしい印象を受ける絵だ。鷹峯が妖怪と揶揄した鷹に比べたら、はっきりと人間の姿であることがわかる。
「蒼世、紙一枚くれ」
「何かかくの?」
「俺も描いてやるよ。お前のこと」
 せっかくだから交換しようと提案すれば、蒼世はぱっと表情を明るくした。他の子供よりどこか落ち着いた様子の蒼世だが、こうして見ていると存外顔つきがコロコロ変わるのがよくわかる。
(子供なんて、面倒なだけだと思ってたんだけどな)
 それなのに、どうしてこの少年からは目を離せないのだろう。
「ほら、できたぞ」
「こっちもできた」
 なるべくリアルにならないよう、少しでも愛らしくなるように気を付けて描いた蒼世の似顔絵を差し出す。蒼世も自分の描いていた絵を鷹峯に渡してきた。
「ありがとうな」
 照れ臭さはあるが、嬉しい気持ちに嘘はない。自分がここにくる元凶となった担任の気持ちが、この時初めて分かった。思わず蒼世の頭を撫でると、一瞬驚かれた。
「…これ、へやのかべにかざる」
「そんなに気に入ったのかよ」
「うん…。これみたら、こわいゆめみても大丈夫なきがするから」
 ピタリと、鷹峯は手を止める。うつむき気味になった蒼世に、言葉を選んで尋ねた。
「怖い夢を見るのか?」
「うん、さっきも…お昼寝してたら…」
 もしかして、それが原因で蒼世だけずっと姿が見えなかったのだろうか。何も云えずにいると、蒼世が顔を上げた。
「ありがとう」
「…ああ」
 蒼世が語らない以上、さらに踏み込んだ話をする気はなかった。ただ、それでも何もせずにはいられなくて、鷹峯は再び蒼世の髪に手を伸ばした。優しく、ぽんっと手を置く。幼い頬が淡く色付くのを見て、柄にもなく、鷹峯もまた赤面していた。
 そして、別れの時はあっという間に訪れた。
 来た時と同じように、園の先生と園児達の前で一人一人挨拶をしていく。鷹峯の番になった時、無意識のうちに視線が蒼世と重なった。一番奥の席に座りながら、迷いなく見てくる瞳に、自然と目元が緩む。園についたばかりの頃は、まさか自分がこんなに穏やかな気持ちでここを去ることになるなんて、思いもしなかった。同時に一抹の寂しさもあるが、それは鷹峯にはどうしようもないことだ。もうきっと、会う機会はそうそうないだろう。
 帰り支度をしていると、傍に蒼世が寄ってきた。
「鷹峯」
「ん」
 ちょいちょいと手招きされる。しゃがんでほしいということなのだろうか。蒼世の前に膝をつくと、丁度目の前に彼の顔がきた。耳の近くに蒼世は顔を寄せてくる。内緒話でもするのだろうかと考えていると、頬に柔らかなものが触れた。
「え」
 蒼世の顔が正面に戻ってくる。何をされたのか、すぐには理解できなかった。口付けられたのだとはっきりしたのは、蒼世の言葉を聞いた後だ。
「おにいちゃんが、仲いい人とはあいさつでこうするっていってたから」
「…兄弟いるのか」
 的外れな返しは、多少なりとも混乱している証拠。そんな鷹峯に、蒼世は首を横に振った。
「兄弟じゃない。おじさん。でもおにいちゃんってよんでる」
 こいつの“おじさん”は外国の人間なのか。そんなことを疑問に思いながら、鷹峯は苦笑した。顔が熱いのは、慣れない状況のせいだろう。
「それじゃ、今日はありがとうな」
「…また会える?」
 不安そうに蒼世が云う。少しの間、鷹峯は返事に窮した。個人的な理由で、鷹峯がまたこの保育園を訪れることはできない。そのため、蒼世と会う可能性は限りなく低かった。しかし、それをこの少年に伝えるのは、どうしても躊躇われた。
「…学校近いし、もしかしたらどこかですれ違うかもな」
「なんて学校?」
「ああ、こっから二十分くらい歩いたところにある…」
 鷹峯の通う中学の名前を教えると、蒼世は何度もその名を繰り返した。覚えてどうするのだろうと思ったが、そこは訊かないことにした。
「それじゃ」
「うん、また」
 縁が繋がったままなら、いずれまたどこかで会いたい。心からそう感じながら、鷹峯は他のメンバーと一緒に園を後にした。
 まさか、それから十数年後、高校生になった蒼世と再会することになるとは、その時の鷹峯は想像もしなかった。




おわり
2016.2.13
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