罰ゲームの功名 裏【執筆中】
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「…は、ぁん……っ」
震える吐息が、どんどん乱れていく。
一人きりのしんとした部屋の中に響くそれに、自分が思ったより追い詰められてきていることを自覚した。
膣内と陰核を延々と刺激し続ける玩具のスイッチを切りたくても、拘束された腕はせいぜい肘を少し曲げるのが精一杯だ。常通りが難しいのは呼吸だけではなく、コードが幾本も繋がった秘部は快楽に蕩け、下着の布地は湿ってべったりと張り付いていた。
今、何故私が玩具を押し込まれたまま放置なんて責め苦を受けているのか。まあそれは勿論、半兵衛さんのせいである。
半兵衛さんの出してきたものは、大体誰でも知ってはいそうな、コードの先に楕円形の振動部が付いた、いわゆるローターと呼ばれるものだった。
今まで実を言うと男性との行為で玩具を使われたことはなかったので緊張したのだが、こうも拘束されている状態ではまず抵抗する手段がろくにない。少し怖いです、とは言ってはみたけれど、そんなものはどこ吹く風で、三成の手によって私の中にはいくつかのローターが埋め込まれることとなってしまった。
そのまま三成を引き連れて出て行った半兵衛さんに、最初は何か取りにでも行くのかと思った私だけれど、今は自信を持って違うと言える。
今はきっと、半兵衛さんの言っていたところの『焦らし中』なのだろう。
膣内と、更に乳首と陰核まで振動に晒されたまま放置されるのが女にとってどれだけ辛いか、きっと彼は熟知しているのだ。
SMなんて怖い、と思っているのは確かなのに、早く帰ってきてほしい、とも考えてしまう私は、多分見事に彼の策略に嵌っている。
…だって、ローターというものは、サイズに反して中々馬鹿にできないのだ。
ローターの振動がぶつかってカタカタと反発し合うのを感じる度に、腰がびくんと跳ね上がる。イケないくらいの強さに設定されているのだけれど、だからといって気づかないふりも受け流すことも難しいような、絶妙ないやらしさでこの責め苦は成立していた。
「…っんん、ぁ…っ、はぁ…っ、んん…」
「ただいま。良い子に耐えていたみたいだね」
「あ、半兵衛さ…っ、み、見ないでくだ、さい…っ」
私が大分快感に切羽詰まってきているのをよそに、悠々と部屋に入ってきた半兵衛さんは、ベッドの側からこちらを見下ろして少し口角を上げる。…冗談じゃなく、顔から火が出そうだ。
拘束された上に玩具で責められて、しかもそれで濡らしてしまっているなんて、こんな私、誰にだって知られたくない。
「……っやだ…見ないで……」
「ふふ、大丈夫、君が頑張った証のようなものだよ。ほら三成君、今は君が主なのだから、ちゃんと褒めてやりたまえ」
「は…、……由香」
失礼します、と半兵衛さんにことわって、三成は私の上に乗り上げた。
いつも真っ直ぐに私を見つめてくれる目も今は恥ずかしくて顔を逸らしたが、ぐっと顎を掴まれ視線を捕らえられる。
「み、三成…」
「…よく耐えたな。これは褒美だ」
「、ん」
三成にしては甘めの声色で告げられたそれに驚いている暇もなく、彼は優しいキスを一つ落とした。
たとえどんな時でも、三成のキスにはどうしても嬉しくなってしまう。更に言えば、ねだったものではなく三成からしてくれるキスというのはとても貴重なのだ。
拘束や玩具とは違う慣れ親しんだ感触を拒否できずにいると、その様子を確認したのか三成は口付けを深いものへと変えた。入り込んできた舌先が、口内をくまなく探るように滑っていく。
「…っんん…、ん、…ふ、っ…」
「……半兵衛様、達させてもよろしいでしょうか」
「勿論、好きにするといいよ。決まった形があるわけではないから、君達がどうしたいかが一番大事だからね」
…この状況、なんだろう。あまりにも非現実的すぎて、夢でも見ているみたいだ。拘束されて
抵抗も許されない私の前で、どうしてやろうかと言葉を交わす二人。
普段だったら催促しないと抱き締めることすら殆どしないくせに、至近距離で合う瞳はうっかりこちらにまで移りそうなほどの熱さを含んでいるように見える。三成も、状況に呑まれてしまっているのだろうか。
彼は右手を伸ばしてローターの強度を切り替え、息を詰まらせびくつく私にもう一度口付けをした。
強くなった振動は身体の内外から私を責め苛み、唇の間から漏れる吐息に抑えきれない喘ぎが混じる。
「…っ、ぁ、…っん、ん、…っぅ、あ…」
「達せ、構わん」
「まって、やだ、恥ずかしい」
「…口は、塞いでおいてやる」
イキたくない、わけじゃない。散々焦らされた後なんだから、身体の中で燻る熱を解放したいに決まっている。
それでも咄嗟に止めてしまったのは人としてのプライドによる反射的なものに相違なく、主張を押し退けて与えられた快楽を受け入れた私は、どこかでそれを喜ばしく思ってしまってもいたかもしれなかった。
「…っ!んぅ……!……ッ!んん……っ♡」
「……、は…、いい顔だな…」
「…っみ、三成……、今日は、どうしたの…?なんか…、三成らしくない、というか…」
掠れた声にも、仄かに紅く染まった唇にも、はっとするような色気が滲んでいる気がして、つい目を逸らしてしまう。
…私の彼氏はもっと、禁欲的で、男女の関係には疎いような男じゃなかっただろうか。確かに前々からもう少し求めてくれてもいいのになとは思っていたけど、まさかこんな一面が彼にあったなんて思わなかった。…半兵衛さんは、部屋を離れているうちに一体彼に何と言ったんだろう。
「………嫌悪するならば、今そう言え」
「い、いや、その、嫌ってわけじゃな、ないんだけど…」
「まあ、男というのは思いを寄せる女性の前では往々にして愚かなものだということさ。そろそろ次に進もうか」
途中で切られた話題に、三成は少しほっとしたように頷いて身体を起こす。
既にこんなにも掻き乱されているのに、まだしばらくは解放されることはないようだ。それを恐ろしく思うと同時に、少しそわついてしまった自分に、必死になって蓋をした。