罰ゲームの功名 裏【執筆中】
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半兵衛さんの家の客室は、他の部屋と同じように品よく纏められた調度品がまるでショールームか高級ホテルのような、綺麗な部屋だった。ごてごてと飾り付けるわけではないがセンスの光る室内は、客間といえど半兵衛さんの家といった感じだ。
こんな部屋をまるでラブホテルのように使わせてもらってしまっていいのかとは思ったが、家主である半兵衛さんに導かれて、私はベッドの上に座った。…お尻が沈む。少なくとも、ニ○リで安売りされていたところを購入したうちのダブルベッドよりは確実にいいものだろう。
「……本当に…いいんでしょうか…、こんなお部屋を借りてしまって…」
「心配しないでいいよ、客間というものは人に貸すためにあるものさ。最近は客が来ることも少ないからね。使ってもらった方が部屋も喜ぶだろう」
「…寛大な御心、感謝いたします」
楽しまれるのも恥ずかしいけれど、迷惑がられるよりずっといい。だけど、三成が自分を責めないためにも、部屋を汚すことはなるべくないようにしなくちゃ。
半兵衛さんは、扉も閉め、更にカーテンも閉めて、代わりに枕元のスタンドライトを付けてから、こちらに向き直った。
「じゃあ、まずは…そうだね、服を脱いで」
「……っ、は、半兵衛さんも、見る、んですか……?」
「その方が羞恥を感じやすいだろう?心配しなくても、僕は触れないよ。君は三成君のものなのだから」
「………」
…確かに、付き合っていない、どころか友人とすら言えないような距離感である半兵衛さんに触れられるのは、正直怖い。『僕も触れる』と彼が言えば三成は受け入れてしまいそうなところがあるから、その言葉には安心したけれど。にしたって、身体を見られるのにも充分な抵抗がある。自慢できるほど恵まれた肢体ではないという自覚があるから尚更だ。
多分これが、半兵衛さんの言った恥ずかしい思い、という奴の一端なのだろう。羞恥心は私の手を止めるけれど、半兵衛さんの無言の催促の視線に負けて、のろのろとシャツのボタンを外していった。
「……あ、あんまり…見ないで、三成…」
「…!す、すまん」
白いシャツの布地から覗く、肌色の透けた紫色。布の薄さも面積の狭さも、最早裸の方がいくらかましなんじゃないかと思うくらいに羞恥を掻き立てる。
下着だけになった私に少し満足げに頷いた半兵衛さんは、次に私の前に銀色に光る拘束具を見せつけるように持ち出してきた。…手錠だ。
流石に本物じゃないと思うけど、100均なんかで売っているのとも違う、ちゃんとした金属の輝きだ。つまり、無理矢理外すのは難しそう。
「縄よりもこちらの方が扱いが簡単だからね。三成君、彼女に付けてあげるんだ。両手首に一つずつ」
「は、はっ!……由香、手を出せ」
「…………っ」
胸と局部を隠している手は、あまりの羞恥に思うように動いてくれない。…だって、常識的に考えておかしいもん、恋人でもない異性にこんな姿を見せるなんて。
顔を赤くして黙ったままの私の前で少し困った顔をした三成は、助けを求めるように半兵衛さんの方を振り返った。
「…はぁ…、五秒か十秒か…、少しだけ心の準備の時間を与えて、それでも拒むようなら多少乱暴にでも引き剥がしたまえ」
「…は。聞いていたな由香、十秒だ。それでも貴様が踏み切らないようなら私から動く」
「……う、…うぅ〜〜…」
…ここまで来て躊躇うなんて往生際が悪い、とはちゃんと思っているのだ。どうせ逃れられないのなら、と、私は恐る恐る両手を差し出して下を向いた。
半兵衛さんに教えられて、おっかなびっくりといった手つきで、手錠は私の両手首に収まる。
右に一つ、左に一つ。半兵衛さんの言う通りに付けられた手錠は、私の両手首を繋げることなく、だらりと垂れ下がっていた。…これでは、私は特に何の不自由も負っていないのではないだろうか。
不思議に思って顔を上げると、やっぱりこれで終わりではないらしい。半兵衛さんは手錠の空いている方の輪を持って、そこにじゃらりとまた新しい鎖を引っ掛けた。
いきなりとん、と肩を押され、ふいをつかれた私は背中からベッドに倒れ込む。
「わっ…!?」
「三成君、左手をそちらの支柱に繋げて…、鎖を一周巻いた後、ロックをかけてくれ」
「はい」
右手を半兵衛さんに、左手は三成に取られ、ベッドの上に寝転ぶ私はどこか呆然としていた。鎖の金属音とカチッという音の後で、二人は身を起こしてこちらを見下ろす。
「…は、えっと、これは…」
「うん、よく似合っているよ」
両手を塞がれるだけだと思っていたら、ベッドに繋がれてしまった。これでは、ただ手錠を付けられるだけよりもっと不自由だ。
私を縛り付けたのがもし三成じゃなければ、私は暴れ出そうとしていたかもしれない。それくらい、身動きのろくにとれない状態は恐ろしく感じた。本能的な恐怖というやつだろうか。
未だに驚きの抜け切らない私の前で、半兵衛さんは次はこうしようか、と、見覚えのある大人の玩具をこともなげに取り出した。