罰ゲームの功名 裏【執筆中】
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目の前のテーブルには、湯気を立てる温かそうな紅茶がある。何やらお高そうなカップに入ったそれにも手をつけられず、私は横に並ぶ三成と揃って下を向いていた。
「話は聞いたよ…、ふふっ、君も中々面白いことをするね」
「……す、すいません…」
「申し訳ございません、このようなくだらないことで…!!」
テーブルを挟んで向かい側に座る半兵衛さんは、以前お会いした時と全く変わりなく、絶世の美青年といったいでたちだ。向けられる微笑みにも声色にも棘はなく、あまり迷惑と思われていなさそうなのは良かったけれど…、何にせよいたたまれない。
「いいんだよ、丁度仕事も一段落ついて暇をしていた所さ。…それで、何をすればいいか、だったね。きっと由香君の友人も、形だけでも満足するだろう。拘束して多少焦らして、あとは恥ずかしい思いの一つや二つさせれば十分じゃないかな」
「はっ、はず…!?」
…なんてことないように言うけど、恥ずかしい思いって。綺麗な三成に私の身体を晒すというだけでもいつも充分恥ずかしく思っているっていうのに、何故わざわざ一層羞恥を覚えるようなことを…!?
「…それ、でも、易しめ、なんですか…?」
「痛くも苦しくもないものを選んだつもりだよ。君もいきなり鞭や蝋燭を使われたくはないだろう?」
「……はい」
痛くも苦しくも恥ずかしくもないやつはないんですか、と一瞬思ったが、口には出さなかった。それは多分SMじゃない。そういうのを楽しむのがSMなんだもの、どれかは絶対に覚悟しなきゃいけないわけだ。
…嫌だなぁ、そういう趣味嗜好があることを否定はしないけど、理解はできない。痛みや羞恥は、少なければ少ないほどいいものじゃないんだろうか。
「…………」
「実際やってみなければわからないこともあるだろう。特別に部屋を貸してあげるから、覚悟ができたら来たまえ」
「…はい」
豪邸と言って差し支えないこの家の二階には、ホテルのように客室が何部屋も並んでいる。そのうちの一番階段から近い部屋に消えた彼を、私達は憂鬱な気持ちで追った。
後悔先に立たず、ここまで来たらもう腹をくくるしかないだろう。せめて次はないように、お酒には気をつけよう、絶対、何があっても。