罰ゲームの功名 裏【執筆中】
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「…つまり、私はマジでSMをやりたいわけじゃなくてっ!」
「成る程…、合点がいった。貴様にはそのような趣味はなかったはずだ」
「あるわけないじゃん、本気でこれを言ってたら、ただの変態だよ…」
話を聞いて、ようやく少し落ち着いたらしい三成と顔を見合わせる。
誤解は解けたらしく、お互いに冷静な思考は取り戻せたとはいえ、一番の問題は全く解決されていないままだった。本当に、酒が入っている時の賭け事なんてやめた方がいい。
「だが…、生憎、私にもそのような趣味はない」
「だよねぇ…、どうしよう…」
罰ゲームに同意したのも、勝負に負けたのも他でもない私だ。あんまりにもあんまりな罰ゲームとはいえ、やらないというわけにはいかない。私の話を聞いた彼も、約束したなら果たすべきだと言うだろう。
だけど、私達にそんな知識は皆無だし…
「…あ……、半兵衛さん、に相談してみる、とか…?」
「…半兵衛様に?」
「…うん」
半兵衛さん。三成の大学での先輩であり、今では友人と協力して起業し、成績をあげ始めているという凄い人だ。
確か彼は、そういうのに造詣が深かったような。
「そうだな…、確かに半兵衛様にご教授願えば…、だがしかし、このようなことであの方にご迷惑をおかけするわけには…」
「で…でも、あの人以外にそんな…、み、光秀さんとか……?」
「それは私が許可しない」
うーん、としばらく私達は二人で考えていたが、結局このままではどうにもならないという結論に達し、やっぱり半兵衛さんに頼ってみよう、という話になった。もし拒否されたら別の方法を考える、という前提で。
私は三成を通して半兵衛さんに会ったことがあるだけで、特に親しいと言えるほどの関係にはない。連絡は彼に任せ、黒いスマホを取り出す三成を私はベッドに座って見つめた。
「…半兵衛様、石田三成です。いきなりのお電話申し訳ございません、実は……」
三成は、鋭い態度に対してうぶなところがあるし、半兵衛さんやその友人の秀吉さんに対する尊敬の念はとても純粋で強いものだ。
時に恥ずかしそうに、時に申し訳なさそうに話をする彼を見ていると、改めてこちらにも羞恥と罪悪感が湧いてきて、耐えられず顔を両手で覆った。どうしてあんな勝負ノリノリで受けちゃったんだろう…反省しなきゃ。
「はい…、はい、了解しました、申し訳ございません…失礼いたします」
「ど…どうなった……?」
話が終わったらしく、スマホを耳から離す彼に恐る恐る聞いてみる。彼はまだ顔の熱が冷めないようで、頬の赤みが引かないまま答えてくれた。
「ご教授頂けるらしい。貴様は…、し、下にそれを着たまま来い、と仰っていた」
「これを…?わ、わかった」
罰ゲームの一環として買わされた下着は、下着としての役割を果たしているのか疑問になるくらいの透け具合と布地の少なさだが、こちらから頼った手前逆らうわけにはいかない。いつもの下着より妙にスースーする感じが気持ち悪くて、せめてもの抵抗といった感じでズボンを履いた。
半兵衛さんの家はうちから一つ二つ向こうの町にある。徒歩で行くには少々遠いので、三成が車を出すらしい。…彼の車に乗るというのも久しぶりだ、もしこんな状況でなければ、ウキウキ気分で乗り込んだだろうに。
お互いに気まずくて、二つ町を越す間、私達はほとんど何も言葉を交わさないまま過ごした。