変態彼氏! 裏
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人生とは、意外性の連続なのだという。『事実は小説より奇なり』というように、思わぬ転機や展開に出会うことや振り回されることは、案外少なくないことなのだ。
…そんな私の人生での、一番の意外性は何か。そう問われれば、私は一も二もなくこう答えるだろう。
『何故かあの変態を彼氏にしてしまったこと』だと!
私が今の彼氏、明智光秀と付き合い初めて、既に一年以上が経とうとしている。
奴は自他共に認める変態で、その不気味さというか気持ち悪さでせっかくの恵まれた顔と声と身長を見事に食いつぶしてしまっている、残念なイケメン代表みたいな男だ。どうして私はあいつが好きなのか、甚だ疑問。
動きはぬるりとして軟体動物みたいだし、スプラッタものの映画や何かもっと残酷な海外産の動画みたいなものを見ながらニヤニヤしている様とか、もういつ何かやらかして捕まってもおかしくないようにすら思える。
自分の恋人に向かって随分な言い草かもしれないけれど、とにかく生活態度から何まで、変態が常に滲み出ているような、私の彼はそんな人間だった。
…それでも、私に対しては光秀は変態だけど優しかったし、案外どんなゲテモノでも慣れればそれなりに付き合っていけるもので、彼との日々に特に大きな不満というものは無かったのだけれど……
「由香、今日こそお願いします」
「……どうしても?」
「どうしても、です」
光秀が、私の手をとって妙に至近距離でいつもと同じ台詞を言った。
その手にかかった力はいつも手を繋ぐ時なんかより強くて、熱の入り具合が怖いくらいだ。こういう時の光秀の声色や目線には、有無を言わせないような凄みがある。
…今日は随分真剣だな。これは、そろそろ溜まっているのかもしれない。
私は掴まれていない片手で眉間の皺を伸ばして、ふぅと一つ息を吐いた。
「…わかった、付き合う。ただし準備はそっちでしてよね」
「ええ、わかっていますよ。では、ベッドの上で…、待っていてください」
ふらふらとトイレの方に向かっていく光秀の周りには、上機嫌そうに花が飛んでいる。とはいえなんか…、可愛らしい花じゃなくて、ラフレシアとかのが近い毒々しさだけど。
欲に忠実なところも嫌いじゃないけど、こうして巻き込まれる側になると正直頭痛のタネでしかない。
光秀の『ソレ』をどう捉えるかは人それぞれなんだろうけど、少なくとも私にとってはそこは欠点でしかなかった。
…光秀はドMなんだけど、私はノーマルなんだよなぁ!
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