半兵衛さん、私の御主人様になってください! 裏
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「…じゃあまずは…うん。こちらからにしようか」
半兵衛さんが最初に取り出したのは、黒光りする一本鞭だった。少し軍服に似たような雰囲気のある彼の制服に、鞭はよく似合っている。
仮面も相まって、いつも以上に女王様然としているように見えた。
「…い、一本鞭……初めて見た…」
「ああ、バラ鞭のほうが馴染みがあるかい?こちらの方が君は好きだと思うけれど」
…バラ鞭、というのは、今も私の部屋のベッドの収納引き出しの中に鎮座しているであろう先の分かれた鞭のことである。最近では、AVなどでも力加減をそこまで気にしなくても大きな傷になることがないのでよく使われているはずだ。
それに対して一本鞭というのは、先が分かれておらずそれなりの長さがあるので、力が分散せず一点に集中してしまう。下手をすれば傷になったり最悪骨折したりしてしまうので、使い手を選ぶ道具と言っていい代物だった。
…一本鞭は、どこかで聞いたところによると元々は拷問用の道具だったらしい。
半兵衛さんなら大丈夫なような気もするけど、それと私が怖さを感じずにいられるかはまた別の話だ。
「い、いえ、ちょっと…、憧れはあったんですけど、怖くて」
「だけど君、痛いのも好きだろう?…その内もっと打ってくれと泣いて懇願するようにしてあげるから、僕に身を任せてくれないかい?」
「っは、はい…」
その言葉に、恐怖と並んで期待が表に顔を出す。
…半兵衛さんの言うように、私は痛いのも好きだ。怖いものは怖いが、初めては皆そんなものなのかもしれない。
初めてSMっぽいことをした時だってそういえばかなり探り探りだったことを、ぼんやりと思い出した。
「折角置いてあるのだから使おうか。由香、そこに立ちたまえ」
「はい…」
半兵衛さんが指差したのは、部屋の壁際に設置されていたX字高速台だ。板がX字になるように張ってあって、その四隅に手首足首に嵌める枷が付いている。
…そういえばこれも、存在は知っていたけど使うのは初めてだった。今までの数分だけで、彼は私の初めてをいくつも掻っ攫っていっている。
私がその台の前に立つと、彼は慣れた手つきで手首と足首を拘束し始めた。
「、っはぁ…」
「…ふふ、興奮しているね。君も、鞭打たれる時は多少無理矢理なほうが燃えるだろう?」
「ぁ、…ご主人様…」
「随分物欲しげだね、由香。…君の望み通りに、痛めつけてあげようか」
後ろを振り向けば、いつも通り半兵衛さんは計算し尽くされたような美しい笑みを浮かべている。
だけどそれに反してその目にはチラチラと嗜虐の色が映っている気がして、屈服させるべき女として見られていると思うだけで湧き上がってくる興奮を、熱い吐息と共に吐き出した。