元就さんと私の秘密 裏
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「………ッ、はぁっ…」
ぬるりと、指は私の中から抜けていった。
その刺激すら今の私には強すぎて、下半身ががくがくと震える。
完全に力の入らない身体はもう相手に委ねきってしまっていて、後ろから抱きしめられているような体制ですらある。
緩く首を動かすと、予想とは違いすんなりと相手の顔を確認することができた。
……え、あれ?
「も、元、就、さん……?」
「…………」
まさか、とは思うが、彼ほど美しい人がそんなにほいほいいていいはずがない。
こちらを見下ろすその顔は、確かに私が恋焦がれる元就先輩のものに違いない。
…どうして、こんなことを?
身体は動かないまま、頭だけが鈍く回り出す。
しかしそれも、こんなところ、先輩に見せてしまって恥ずかしい、とか、やっぱり指細いなぁ、とか、しまいにはこんなに触って貰えて嬉しいかもしれない、とか、馬鹿な思考しか湧いてこなかった。
恋する乙女が馬鹿なのか、私自身が馬鹿なのか。多分後者が正しいだろう。
相手が元就先輩だとわかったことで、得体の知れない恐ろしさが無くなったこともあるかもしれない。
私が先輩を見つめながらそんなことを考えていると、彼は見た目通りの冷たくも美しい声で言った。
「…次の駅で降りる。貴様も来い」
「え…?」
「貴様とて、その熱を宿したままでは辛かろう。ここ最近付き纏ってきた貴様の視線の真意も、それなりに気にはなる」
「、ぁ……」
彼の視線に囚われて、他のことが考えられなくなる。
…その瞬間、車内に『豊臣病院前』とアナウンスが入った。
あんなことを言ったわりに、私を気にすることなくスタスタと電車を出て行ってしまう彼を、私は反射的に追いかけた。