続・竹取物語
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「侑士がね…」
「え?」
「侑士が傍にいると暗い処も怖くないの」
そう言って照れくさそうに笑った妹に理性が飛びそうになる。
「小さい頃から侑士が傍にいるとあたし平気なんだよ?気付いてなかったの?」
ちょ、なんやコイツ、そんな可愛えこと言うのやめてぇや…我慢すんのしんどいんやから。
「あたしは…もうすっごい…侑士のこと好きなんだから…」
あぁ…ほんま、なんで今そんなこと言うんやコイツ
親が帰って来うへん
二人きりの夜
暗闇で抱き合っている最中
……どうにかなってまうわ…。
「侑士?聞いてる?」
「………」
「侑士?」
「……聞いとるよ」
苦笑しながら俺は妹の頭を撫でた。
暗いせいで俺の顔がよう見えへんからそんな照れること言えるんかな。
普段全く言ってくれへんし
なんや貴重やし嬉しいし…
ふいに視線を下ろすと俺の腕の中で顔を上げた妹と目が合った。
上目遣いに俺を見つめて
それだけでもアカンのに薄暗い室内がよりムードを高めて
あぁ!!もう、ほんま勘弁して!!!
『今度いきなり押し倒してきたら侑士のこと嫌いになるから!!』
そう、前に言われたことを思い出した。
ちゅーか!!!
この状態でまた同じこと言われへんやろ!!!
今はどう考えても俺、誘われとるやろ!!!
「ねぇ?黙り込んでどうかした…?」
どうかした?や、ないやろ
……もう知らんで…?
「妹」
「え?」
俺は左手を床につき、右手で妹の頬に触れた。
その姿勢は妹に迫るような体勢で、妹が少し後ずさりするように下がったのが分かった。
けれど俺は止められなくて顔を近づけてキスをしようとした。
その瞬間、
カチッと、部屋中に明かりが戻った。
急に明るくなったものだから目にちょっとした痛みが走る。
「――あ、あぁー!!良かった!!電気復活したね!!!」
パッと俺から離れて立ち上がる妹。
………はぐらかされた…。
ガクッと、肩を落とす俺のことなんか気にもとめず妹はソファに腰掛けてテレビのリモコンを弄っている。
なんちゅーお約束なんやろ。
こんなにヤキモキさせられて、なんて可哀相なんやろ…俺。
「侑士!!今日サスペンスやるよ!!」
「……あぁ…今日金曜やったな」
「見よう見よう!!今度こそあたしが犯人当ててみせる!!!」
俺のことはぐらかすしヤキモキさすし
嫉妬させるし我が儘やし
それでもこんなに好きなんは何でやろう
「ね…?侑士も…一緒に見て…くれる…よね?」
俺の反応を伺うように恐る恐る尋ねてくる。
この態度は俺を避けてしまったこと悪いなと思っとる証拠やろうか。
………可愛えヤツ。
「犯人当て、俺負けたことないの知っとるやろ?」
何で好きとか、もうそんなんやないな。
妹やから好き
それやな。
.