続・竹取物語
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雨で頭が冷えたことも関係があったのか、
岳人と慈郎の話を聞いていたらなんや自信がついた。
俺はドコかで脅えていた
跡部の存在、
そして
義理の兄貴である自分の存在に
けれどもう平気や
妹が笑っとるから――‥
「ん?どうかした?」
俺が視線を送るもんやから気になったのか首を傾げながら妹が言ってきた。
夕飯を終えた俺達は今一緒に台所に立って洗い物をしている。
妹が洗剤で洗った食器を俺が水で洗い流す。
なんや新婚さんみたい。
「侑士?」
「別になんもないよ」
「本当にー?何か言いたそうな気がするんですけど」
「せやから気のせいやて」
俺の心は今ルンルン
アホみたいにテンション高くて
自然と口元がニヤけてしまう
勝手に悩んで嫉妬して、一喜一憂する自分がアホで
あまり妹に悟られたくなくて誤魔化した。
「はーい、これで最後」
妹はそう言いながら皿を一枚手渡してきた。
俺はその最後の皿を洗い終えると水道の蛇口を締めた。
「今何時?」
「8時半やで」
「もうそろそろお父さん達帰って来るかな」
「せやな…、雷は止んだけど相変わらずの豪雨やし通行止めとか心配やなぁ」
「そうだね…」
そんな会話をしていた矢先、電話が鳴り響いた。
「はい、忍足です」
『妹?お母さんよ』
「お疲れ様。今帰り道?」
『そうなんだけどね―、』
受話器片手に妹は何やら驚いている様子。
どないしたんやろ。
電話の相手母さんやんな?
「……そっか…うん…分かった。こっちのことは心配しないで。うん、じゃぁね」
通話を終えて受話器を置いた妹は俺を見上げながら
「今日お父さんとお母さん帰って来れないって」
そう言ってきた。
「え?」
「侑士が心配した通り雨が凄くて通行止めされてるんだって。だから今日は病院に泊まるみたい…」
「そうか…」
なんや親父と母さんが二人で旅行いった日のことを思い出すわ。
「と、ゆうわけだから今日は二人きりだよ」
「なんや妹からそんな意識さすようなこと言ってくるなんてどないしたん?」
「べ、別に意識させようとか思ってないもん!!」
「よう考えたら二人きりの夜ってクリスマス以来やな」
つまり両想いになってから二人きりで夜を迎えるのは二度目。
一度目のイブは別々に寝たけど……
…………。
や、その考えがアカンねん
それがケンカの元やねん
学習しような、俺
と、一人理性と欲望とで葛藤していたら
―――ブツッ、と豪雨で配線が切れたのか明かりが一気に消え、暗闇に包まれた。
停電や。
俺はすぐさま妹の手を取り、抱き締めた。
「妹、大丈夫か?」
ギュッと抱き締めながらゆっくりと床にしゃがんだ。
「…うん……ビックリしたけど…平気だよ…」
「ほんまか?」
「ほんまだよ。あたしね、もう結構大丈夫なんだから」
ほんまに平気なんやろうか?
強がって無理しとんのちゃうか?
あんなに暗い処アカンかったくせに…。
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