続・竹取物語
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時刻は7時。
侑士はまだ帰って来ない。
もう!!何処で何してんのよ!!!
びしょ濡れで帰って来ると思ってスープまで作ったのに!!
怒りが込み上げながらも簡単な料理をテーブルに並べて待っていた。
―――ゴロゴロッ!!
「きゃぁっ!!!」
雷の音が響く度、リビングで一人叫んで耳を塞いで
私、バカみたい。
傍にいて欲しい時にいてくれないってどうなの!!?
あそこまで嫉妬深いのってどうなの!!?
なんであんなにエッチなの!!?
どうして侑士は私の気持ちを分かってくれないの!!?
「バカバカバカーーッ!!!!」
キーッと、怒鳴りながらソファにある枕をボンボン叩いた。
帰って来たら説教してやるんだから!!!
そう心に決めた
その時―、
ガチャっというドアの開く音、そして
「ただいま」
と、呟く侑士の声。
私はすぐさま玄関へと駆け出した。
「バカ侑士!!遅すぎ!!!何してたのよ――、」
そう言いかけて言葉が詰まった。
予想はしていたけれどあまりにも全身びしょ濡れで立っていたから。
「ちょ、ちょっと待ってて!!!今すぐタオル持って来るから!!!」
眼鏡を外して髪をかき上げながら「すまんな」と言う侑士に持って来たタオルを手渡した。
………ん…?
――って!!!私説教しようと思ってたのに!!!
「侑士!!こんな雨の中いったい何処――、」
「なぁ妹、母さんおらんの?」
「え!?あ、いないよ…なんかこの雨で帰り遅くなるんだって…」
「そうやったん?お前雷ん中独りで平気やったか?」
平気なわけないでしょ!!と、言おうとした瞬間
ゴロゴロッと、凄まじい雷音が鳴り
「きゃぁ!!!」
なんて叫んで思わず侑士に抱きついてしまった。
そんな私の頭を優しく撫でながらギュッと抱き締める侑士。
ドクンと、心臓が鳴った。
「怖い思いさせてすまんかったな」
「………バカ」
「独りにさせて…すまん…」
「……うん…」
「我儘言うて…ごめんな…」
「………」
侑士は私が小さく肯いたのを確認するとそっとキスをしてきた。
私、
怒ってたはずなのに
説教するつもりだったのに
甘すぎる…かな…?
「仲直りのチュウってことで」
「……もうっ」
「俺も反省したし…許して下さい…。な??」
―――調子いいんだから。
「分かったから!!侑士早く身体拭いてお風呂に入って!!」
「ん、そうするわ…って、妹も俺に抱きついたせいで服濡れてんで」
「あたしのことはいいから、早く!!」
問答無用で私は侑士を脱衣所へ押し込んだ。
相変わらず雷は止まず、ピカッと光ってはゴロゴロと鳴っている。
それでも怖いと思わなくなったのは侑士が家にいるから
そう思うだけで私の心は安心する。
ドクンドクンドクン…
……凄い心臓の音。
私、もうカナリ侑士のこと好きみたい…
侑士ナシじゃ生きていけないかもしれない
そう思うほど
恋してる――‥
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