続・竹取物語
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ずっと、
義理の兄妹ということで妹が哀しんだりしないか
それだけが不安だった
そう思っていた
でも違った
それは俺自身やった
義理の兄妹ということで色々なことを我慢しなくてはならない
俺自身の我儘やった。
「仕方ないでしょ!!あたし達義理の兄妹なんだから!!!」
妹はイラついたように思い切り怒鳴りついた。
「そんなこと承知だったはずでしょ!!?何で今更そんなこと言うの!!?」
妹の言う通り今更やし承知のこと。
とんでもなくガキな自分が情けない。
「侑士勝手だよ!!酷いよっ!!!」
妹の声は段々と震えて泣き出してしまった。
「あたしのこと…面倒になった…?」
「え」
「周りの友達に“俺の彼女”って紹介も出来ない、手も繋げない…そんなの…もう…イヤ…?」
そんなことあるはずない
けれど、
上手い表現が見つからない。
「ゆう―、」
「…すまん…」
そう呟くと俺は妹に背を向けて歩き出した。
「ちょっと頭冷やしてくるわ」
妹から離れてしばらく歩くと雨が降ってきた。
なんや…天気まで俺に頭を冷やせって?
「はぁ…」
溜息をついて空を見上げる。
分かってる
分かっていた
妹が手を繋ごうと一生懸命辺りを警戒しているのを
そして繋ごうとしては引っ込めて、ためらっていることを
俺だけ我慢してるんやなくて、妹も同じ気持ち
それなのに弱音を吐いてしまった自分が情けない。
妹が欲しくて欲しくて、
でも手に入らなくて
アイツの全部を俺のモノにしないと不安で
妹の“好き”より俺の“好き”の方がきっと大きい
せやから俺はいつも不安で
「アホや…」
――アイツのこと泣かすなよ――
跡部に言われたばっかやのに
泣かせてしまった…。
―中編完―