続・竹取物語
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放課後。
窓の外に目をやると今にでも雨が降り出しそうなほど真っ暗。
これは最悪や…
傘持ってへんしさっさと帰ろう。
俺は早々に帰る仕度をした。
そんな時、
「侑士侑士侑士ーーっ!!!」
物凄い勢いで岳人がクラスへ駆け込んで来た。
「なんやねん。そんな息切らして、驚くやろ」
「そ、それどころじゃねぇんだって!!!」
「ん?」
「妹が跡部とヨリ戻しちまった!!!」
………は?
「今日の昼休み俺のクラスのヤツがさ、妹に告ったんだってよ!!そしたら跡部が現れて――、」
何やそれ…
なんで跡部が…?
「なぁ、侑士、本当のとこどうなん―、」
そう岳人が話し終える前に、俺は教室を飛び出した。
妹と跡部がまた付き合いだすなんて
そんなん有り得るわけないやん
何かの間違いや
―――――‥
「あれ?侑士、どうしたの?」
岳人から話を聞いて、いてもたってもいられなくなった俺は妹のクラスへ来てしまった。
「侑士?」
「妹、帰るで」
「え?」
ポカンと俺を見上げる妹の腕を強引に掴んで歩き出す。
廊下を早歩きで手を引きながら歩いた。
「ちょっ!!侑士!!!痛いって!!手ぇ放して…っ!!」
妹は辺りをキョロキョロしながら人目を気にしている。
兄が妹の手を引っ張って無理矢理歩く。
俺達が注目されるのは当然で、
「見て!!忍足兄妹!!なんか忍足くん怒ってない?」
「ケンカしたのかな?」
「いいなぁ…あたしも忍足の妹になりたーい」
そんな声が聞こえてくる。
「ゆ、侑士?本当にどうしちゃったの!?」
戸惑う妹を無視して俺はひたすら無言で歩いた。
すると、
昇降口手前で跡部と会った。
「あ、景吾」
そう言った妹の言葉が俺の嫉妬心を掻き立てる。
「アン?なんだ二人揃って下校か?相変わらずブラコンとシスコンだな」
苦笑する跡部に笑顔の妹。
「なんかそれ皆に言われるんだけど」
「アン?当然だろ自覚しろ」
「ブラコンだって?」
「あぁ」
「えー」
なんや…
跡部も妹も
全く会話せんかったはずやろ?
何で……?
「ちょっ、侑士!!?」
グイッと思い切り妹を引っ張って跡部を横切った。
なんなん?
なんで俺こんなにイラついとんの?
妹と跡部はもう関係ないはずやし
妹が好きなんは俺やと分かってるのに
ムカツク
妹が跡部と話してるのが
どうしようもなくムカツク―――‥
「痛い!!手首痛いからいい加減放して!!!」
学校を出てしばらく歩いたところで妹に怒鳴られて俺は手を放した。
「もう…ビックリするでしょ…突然何も言わずにさ…」
妹は俺に掴まれた手首を擦りながら俺を睨んでいる。
「侑士?聞いてるの?」
「………」
「ゆう――、」
そう言いかけた妹を強く抱き締めた。
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