結局、景吾と連絡がつかないまま夜の９時を過ぎた。




どうゆうこと…？



私の15才の誕生日どうなってんの？



彼氏がいるのに連絡がつかないなんて!!!





「あぁぁ!!!もう!!!鳴らない携帯と睨めっこしててもイラつくだけだよ!!!」




自室で一人暴れる。


てっきり今日は夕飯も景吾と食べるもんだと思っていたからお母さんに「ご飯いらない」って言っていた。


なのに私が家にいるもんだから



「あら？どうしたの？友達とお祝いパーティーじゃなかったの？」


って言われちゃうし…。



何だか凄く惨め!!!



侑士は家に帰って来るなり


「何でお前おるの？」


とか言うしさ!!!



私がいたらいけないの!!?




どうせ寂しいバースデーですよーだ!!!




「…はぁ……」



ベッドに寝転がって携帯のリダイヤルを見つめる。





景吾…。



私、罰当たった…？



侑士にドキドキしちゃったせい？




「…ごめんなさい…」




そうポツリ呟くと、部屋のドアをノックする音が聞こえた。





「俺やけど…」



侑士が私に向かってドア越しに声をかける。





「ちょっとええか？」



そう言われて一瞬戸惑った。



どうしよう…。



侑士を部屋に入れる…。




大丈夫…だよね…。



最近の侑士って何だかとても紳士だし…。

私のこともう好きじゃない感じすらするし…。



すっかりお兄ちゃん…だもん…ね…。



私はベッドから上体を起こすと

「…開いてるよ」

と、言った。




ドアが開いて侑士が入って来る。



あぁ…何か…


私の部屋に侑士が来るのって凄く久しぶり。






「何やメッチャ久しぶりに入ったわ」

「あたしも今同じこと思った」

「いつもお前が俺の部屋に来とったからな」

「でもあの日以来入ってないけど…」




あ…っ

また私ったら意識させるようなこと言っちゃった…。




私が侑士の部屋に行った最後は、



あの告白された日だ。




１ヵ月以上も前のことなのに思い出して顔が熱くなる。




あぁ、もう!!
墓穴…っ!!!





「そうやったな。最近はこうして話すことなんてなかったもんな」



焦る私を気にするような素振りもなく侑士は普通に話しだした。



あれ…。



私、意識させるようなこと言った気がしたんだけど…。





そうでもなかった…のかな…。





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