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#FINAL 境界線
朝練で部室へ着くと私達は昨日から付き合いだしたことを報告した。
皆驚くかな?と思いきや…
「知ってましたよ。昨日のマネ先輩の態度を見てればバレバレです」
と、淡々と言う赤也。
「お前達は誰が見ても両想いだったからな。ちょっと…ってか大分ウザかったぞ」
と、ジャッカル。
ウザイとは何事!!?
「良かったですね。やっとですか」
と、柳生。
こちらも淡白な返事。
「何ぃ!!?この間までは仁王と付き合っていたくせに次は丸井か!!?マネージャーが部活中に色恋にうつつをぬかすとは…たるんどる!!!」
と、真田に怒鳴られた。
だから…アンタは私の父親か!!!
「予想より早く付き合いだしたな。俺の計算だとお前等のような不器用は高等部にいってからだと思っていたのだが」
と、柳。
何気にデータをとられていたことにビックリ…。
皆着替えを済ませて部室を出る。
私はまだ来ない仁王を待っている。
本当は一番に伝えたかったのに。
しばらくしてドアが開いた。
「仁王!!」
「あぁ、おはようさん」
欠伸をしながら眠そうな仁王に駆け寄る。
「もう!!朝練ギリギリ!!遅刻だよ!!皆もうウォーミングアップしてるよ?」
「まぁまぁ固いこと言わんと。こうして来るだけでも俺としては快挙じゃ」
まったくもう!!
「仁王、あたしブン太から告白されたよ」
「そうか。されたんか」
「うん!!仁王の希望通りになったね」
「俺の希望通り?」
「そうだよ。あたしから告白するんじゃなくてブン太に言わせたいって言ってたでしょ?」
「あぁ…そうじゃったな」
話しながらロッカーに鞄を入れる仁王。
私はその横で話を続ける。
「仁王のおかげだよ。ありがとう」
「脈があったからうまくいったんであって、俺のおかげじゃない」
「いいの!!お礼くらい言わせて!!」
「はいはい」
片手でネクタイを緩めながら、もう片方の手で私の頭を撫でる。
本当にお兄ちゃんみたい。
「マネ、ちょっといいか」
「あ、ハーイ」
私は真田に呼ばれて部室を出た。
私と行き違いになるようにブン太が部室へと入って行った。
「仁王」
「ん?」
入り口付近の壁に寄りかかりながら仁王に話しかけるブン太。
「お前にマネは渡さねぇよ」
「何じゃ?いきなり」
「宣戦布告。俺もしとこうと思って」
「ほう…?」
「言っておくけどな、誰であろうと譲らねぇぞ」
「そりゃそうじゃろ。簡単に譲られたら面白くないしの」
「お前のその自信はいったいドコからくるんだ?」
「マネは俺を兄のように慕ってくれてるおかげで警戒心ゼロじゃしのう。これから先無防備に近づけて口説けるってもんじゃ」
「なにぃ!!?そんな計画たててやがったのか!!」
「これから丸井とケンカする度に俺を頼って泣きついてくるんが目に見える」
「泣かせるかよ」
「その言葉信じちょるよ」
着替えを済ませてラケットを手にとり、
「アイツがまた俺を頼ってきた時はもう逃がさんよ」
そうブン太の耳元で言うと出て行った。
「あー‥手強いヤツ…」
そう呟きながら一人部室にしゃがみ込み、頭をかくブン太だった。
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