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部室へと走るマネの背中を見送った。
俺は一人コートの端を歩いている。
フッ。
こんなに旨く騙されんでもよかろうに。
やっぱりマネじゃのう。
相手がマネだから最後まで騙せたんだろうな。
本当は冗談にする気なんかなかった。
なのに…
どうしたものか。
困ってるマネを見ていたら冗談として流したくなった。
ほしいモンは手に入れたい性質だと思っとったのにのう。
意外にも相手の幸せを考えられる性格だったんだみたいじゃのう。
まぁ、丸井に言ったことは嘘じゃない。
『アイツがまた俺を頼ってきた時はもう逃がさんよ。別れたがっても許さん』
せいぜい俺に獲られないようにするんだな。
「仁王くん」
「ん?」
柳生がラケットを持って歩いて来た。
こうゆう時によう現れるヤツじゃのう。
実は俺の心理状態に一番敏感なんじゃなかろうか。
さすがダブルス組んでるだけあるの。
「少し打ちませんか?」
「もうコート整備も終わっとるし真田に怒られるぜよ」
「2人で整備して帰りましょう」
「…そうじゃな…」
何も聞かずにラケットを渡す柳生。
この間の屋上で話した時みたく、お前は何も聞かないんだろうな。
俺も弱音を吐く相手がいたほうがいいし。
これからも俺の心情を察して今みたいに声をかけてくれ。
気がまぎれるしの…。
ありがとな。
#14終