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部活が終わってすぐ仁王を呼んだ。
着替える前に話しをしたくて、
部室に入る仁王の腕を引いてコートの端まで歩いた。
#14 詐欺師
日が落ちて暗いコートをライトの明かりが照らす。
私は仁王と向かい合っている。
ブン太が着替えてる間に話しをしたくて慌てて呼び出したけど、いざ向かい合ってみると何から言えばいいのか言葉に詰まってしまう。
どうしよう…。
どうやって切り出したらいいんだろう…。
“俺にせぇって冗談だよね?”とか…?
“もう!!耳とか舐めるなんて最低!!”とか…?
“どうゆうつもり!!?”…とか…?
あぁっもう!!
ちゃんと考えておけよ自分!!!
中々話そうとしない私を見かねたのか仁王が話し出した。
「わかりやすいのうマネは」
「え?」
笑いながら背中にある壁に寄りかかる仁王。
「丸井なんかやめて俺にせえ」
「!!?」
「アレ、本気じゃし」
あ…
どうしよう…
仁王はお兄ちゃんみたいで…
たくさん甘えさせてくれて
一番応援してくれて。
仁王のおかげでブン太を好きなことにも気付けて、
凄く感謝してる。
でも私はブン太が好きで。
返事は決まってるのに
声が
でない。
立ちすくんだまま重い沈黙ができて私は俯いてしまった。
どうしよう…何か言わないと…
「…なんてな」
「…え…?」
今「なんてな」って言った?
え?え?
………。
えぇ!!!?
ニヤリと妖艶に微笑む仁王。
まさか!!本当にからかわれてた!!?
「ウ、ウソだったの!!?」
「何じゃ?本当だったらどうするつもりだったん?丸井から俺に乗り換えるんか?」
「ヒドイ!!考え込んで損した!!!」
「お前がどれだけ丸井を好きか知ってて好きになるわけなかろう」
「うっ!!!」
確かに…よく考えればそうだよね…。
ってか、そもそも仁王が私のこと好きになるはずないよね。
私と付き合うふりをしてくれた時だって「面白いから」って理由だったし。
まんまと騙された…
さすが詐欺師。
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