ボーダーライン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ひどい!!!
ブン太ってば手を払いのけることないじゃない!!!
ショックで泣きそうになるのを誤魔化すためにふざけて部誌で殴ったりしたけど…。
きっと仁王は私が泣きそうになったのに気付いたはず。
だって仁王のブン太を見る目…
怖いもん!!!
仁王は何だか例のゲームをやめてからちょっと様子が変な気がする。
優しいのは前からだけど…
なんか優しさが違うってゆーか…
お兄ちゃんとして優しい感じだったのが、男として優しい感じになったってゆーか…
とにかくなんか違う。
「部誌で殴るなんて本当に凶暴なヤツだな!!!」
「うるさい!!!」
あぁ…私ってば本当に可愛くないし…。
とりあえずブン太との言い争いはここでストップした。
その後すぐに真田と柳も来て、着替え終わったR陣達は部室を出て行く。
私は部室に一人。
溜息をついた。
「はぁ…」
「泣くんか?」
その声に顔を上げるとドアの前に仁王が立っていた。
部室から皆出て行ったと思って油断した。
私は仁王の言葉通り泣きたかった。
一人になりたかったのに。
一人で泣きたかったのに。
「凄い…本当に何でもわかるんだね…」
「元カレじゃし?」
そう笑う仁王。
だから私もつられて笑ってしまう。
「ふふ…。ニセの元カレ…ね?」
だけど涙はボロボロ出てきて。
こんなことで泣く自分がイヤなのに。
涙は止まらなくて。
こんなに弱い自分に吐き気がする。
「はは…ヤダ、おかしいね…こんなことで泣くなん…っ」
涙を止めようと必死で笑顔を作ったけど苦しくて声が出なくなった。
そんな私に仁王は近づいてきて優しく頭を撫でる。
仁王が優しくて、また甘えそうな自分がイヤで私は仁王の手を払う。
「…大丈夫だから…一人に…して…っ」
仁王に背を向けて精一杯声にした。
するといきなり、
「俺にせぇ」
仁王が後ろから私を抱きしめた。
「…え!?」
何…?
仁王、今何て…?
「丸井なんかやめて俺にせえ」
仁王の腕に力が入る。
どうしちゃったの?
仁王…。
私はゆっくり後ろを向こうとした。
その時、
「マネ、さっきは悪かったなー‥」
部室のドアを開けてブン太が入って来た。
泣いてる私。
私を抱きしめてる仁王。
目の前には立ちすくむブン太。
何…これ…。
#12終