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「ブン太、新発売したマスカット味の飴あるけど食べる?」
「お、おう…サンキュー‥」
マネから飴を渡される瞬間。
少し触れた指。
たったそれだけ。
それだけなのに俺は
何だか妙に意識してる。
#12 恋
「なぁジャッカル…」
「ん?」
「例えばさ、手と手がぶつかったりとかして誰かを意識したことってあるか?」
「…は?」
部室。
まだ俺とジャッカル以外は来ていない。
「な、何でいきなりそんなこと…」
「いいじゃねぇかよ。どうなんだ?」
明らかに“何で俺に聞くんだよ”って顔をしながらジャッカルは言葉を詰まらせる。
確かに、こうゆうことをジャッカルに聞くのは人選ミスな気がしてきた。
「…手と手がぶつかるって言っても…ぶつかり方にもよるんじゃね?」
「ぶつかり方…?」
「ほら、よく同じ物を拾う時とか同じ本を本棚から取る時とかさ…」
何だそのベタベタは!!!
コイツ絶対恋愛ドラマ好きだな!!!
「あー‥飴…もらう時とか…」
「は?」
「だから…飴を手渡される時とか少し指がぶつかったりすんじゃん?」
「………」
「な、何だよ!!!」
急に目を細めて呆れたような表情になるジャッカル。
何だその顔は!!!
「一瞬しかぶつかってないのに意識も何もナイだろ」
「そっかぁ…?」
「まぁ、好きな相手だったりしたら話は別だけどな」
「好きな相手!!?」
ちょっと待て!!
それって俺が…
「俺がマネのこと好きだってのか!!?」
つい思ってることを声に出してしまった。
しかも大声で。
そんな俺にジャッカルは驚いてる。
てゆーか俺も驚いてる。
「何だよブン太、マネと指がぶつかってドキドキしてんのか!?」
「う、うっせーな!!!」
「あはははは!!!」
コイツ!!何で爆笑してんだよ!!!
「ひぃ~!!ブン太が小学生みたいになってる!!!」
「何だとコラ!!!」
俺は笑うジャッカルに蹴りを入れる。
「だから、お前はマネが好きなんだよ!!」
「はぁ!!?」
「オイ!!ここまできて自覚しないのはいい加減ウザイぞ!!!」
「はぁ!!?」
「ようやく気付いてくれたかぁ~。マジでお前等2人どうなるかと思ったけど。うんうん」
何だ!?何コイツ一人で納得してんだ!?
「おい!!誰もアイツを好きだなんて言ってねぇだろい!!」
「何言ってんだよ。好きって言ってるようなもんじゃないか」
「言ってねぇ!!」
「好きでもない相手と指がぶつかって意識するか!!!」
「うっ」
そう言われてみれば。
俺、意識してるんだよな?
マネのこと…。
最近モヤモヤしてる原因って…。
「恋…?」
ちょっと待て!!
マジで?え?俺ってば…
マネのこと好きなのかぁ!!!!
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