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あの仁王くんが泣きそうな顔をしていたのには驚きました。
だから自然と「私も付き合います」だなんて言葉が出たんでしょうね。
部活中の今、何事もなかったようにマネさんと接している仁王くん。
私から見たらまだ大分痛々しいですよ。
------屋上
「何でついて来たんじゃ柳生…」
「授業をサボるのは初めてです」
「じゃろうね…」
仁王くんはポケットから煙草とライターを取り出す。
未成年者の喫煙は許せませんね。
しかし、今だけは許しましょう。
「お前が説教せんとわ…珍しいこともあるんじゃのう…」
「今日だけです」
「そうか…」
しばらく無言のまま風にあたる。
私も黙って空を見上げていた。
「のう…」
「はい?」
3本目の煙草を消しながらゆっくり私の方を向く仁王くん。
「マネと別れた」
「え?」
確か4日ほど前に「俺等付き合いだしたんじゃ」って言ってましたよね?
あれは明らかに丸井くんへの当て付けだと分かりましたが…。
もう別れてしまったのか…
………。
…え?
そのことが仁王くんをそんな顔にさせてるんですか…?
「ゲームだった。あのイラつく2人をくっつけるためのな。ただそれだけ。面白いから…」
「…はい…」
「マネは可愛いしの。からかうんも面白い。純粋に応援したくなった」
淡々と話しながら表情は泣きそうなまま。
「でもな…冗談言ってからかって…その冗談がウソなのか本気なのか…分からんようになって…」
「仁王くん…」
「なんなんじゃろうな…。俺ってこんなキャラじゃなかろうに…」
そう言うと頭をかいて俯く。
仁王くん
貴方もまた不器用な人ですね。
「仁王くん。貴方みたいな面倒を嫌う人間が面白いという理由だけで恋愛の協力なんてしないでしょう」
そうです貴方もまた…
「仁王くん、マネさんのことが好きなんですよ」
自覚していなかっただけです…
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丸井くん。
早くマネさんを捕まえないと獲られますよ?
本気になった詐欺師に…。
#11終