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なんだかんだで昼休み終了間際。
「弁当美味かった。サンキュな。じゃ…」
そう言って俺が教室から出て行こうとするとマネが一緒に廊下までついて来た。
「ん?どうした?」
「どうした?じゃないよ!!」
眉間にシワを寄せて不機嫌そのものじゃ。
俺、怒られるんか?
こんなに協力してるんのにのう。
「もうやめない?」
「は?」
深刻な面持ちで俺を見上げるマネ。
やっぱりそうくるか…。
「なんかこれ以上仁王と付き合ってたらブン太が離れていきそうなんだもん…」
「そうか?」
「今がチャンスの気がする。せっかく意識してくれてるのに嫌われたくないし」
確かに。
今丸井に告白したら、それはそれでうまくいくような気もしてきた。
でも俺は丸井に言わせたい。
丸井がマネに告白するように仕向けたかった。
「仁王には感謝してるよ。なんかお兄ちゃんみたいだよね」
「お兄ちゃん…ね」
「もう大丈夫。仁王に頼らなくても頑張ってみせるから」
「…お前さんがそう言うなら俺の出番も終わりじゃのう…」
「たった4日間だったけど、ありがとうございました」
「たった4日で丸井が意識するとわのう…。うまくいかんかったら許さんぞ?」
「絶対にブン太のハートを射止めてみせます!!!」
「そうか。頑張りんしゃい…」
俺はマネの頭を撫でる。
その手が中々離れないでいるのは何でか。
手離したくない…?
マネを離したくない…?
「仁王?」
「あ、ん…。じゃぁな…」
不思議そうに見上げるマネの頭から手をどけると俺は歩き出した。
ゲームオーバー
か…。
廊下の窓から空を見上げた。
天気ええのう…。
「仁王くん」
「ん?」
目の前に柳生が立っとった。
全く気付かんかった。
「仁王くんの教室は向こうですよね?ナゼ逆方向に歩いているのですか?」
「…ふぅ…。今日は見逃してくれ…」
「授業をサボる気ですね?」
「柳生も…はよ教室戻らんと予鈴が鳴るぜよ」
「私も付き合いますよ」
「え…?」
そう言うと柳生は黙って屋上までついて来た。
ムカツク奴じゃのう。
俺の今の心情をどれくらい理解しとるん?
そんなに俺、顔に出とったか…?
ペテン師が情けない。
ゲームの終わりがこんなに寂しいと。
そう思うんは何でなんか。
柳生…
お前に聞けば分かるか…?
#10終