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「ねぇ、こんなこといつまで続ける気?」
「ん?こんなこととは?」
「だから、ウソの交際だよ!!!」
「コラ。そんなこと大きい声で言って誰かに聞かれたらどうする」
アンタが言わせたんでしょうが!!!
昼休み、私と仁王は中庭のベンチで食事をしている。
私は家から持って来たお弁当、仁王は購買で買ったパンを食べている。
天気のいい昼休みの中庭は結構人が多くてベンチに至っては数に限りがあるため軽く争奪戦だったりする。
おまけにベンチ利用者の8割はカップル。
「まだ付き合い始めて3日目じゃろ」
「3日目だろうがなんだろうがブン太は何の反応も示さないんだよ?意味なくない?」
そう。
何もないのだ。
あの日、驚いて見えたのは私の勘違いだったのか。
むしろ赤也や真田の方が反応を示してる。
赤也は「何で?何で!?何で!!?」ってしつこいし。
真田は「部活中になんたる不謹慎な!!たるんどる!!」とか言ってキレるし。
ってゆーか部活内恋愛禁止されたらブン太とだってうまくいかないじゃない!!
てゆーか…
バカみたいな賭けしちゃった…。
ブン太が振り向いてくれなきゃ、こんなこと何も意味ないのに。
「もう少し恋人っぽくした方がいいかもしれんの」
「え!?なんでそうなるの?」
「要は丸井から見て嫉妬に値しないちゅーことじゃろ?」
「違うって!!ブン太にあたしが意識されてないだけだから!!!」
「まぁ、もうちょいカップルっぽくしたら反応があるかもしれんし?モノは試しじゃ。今度丸井の前でキスでもしてみるか?」
「バカでしょ」
「まぁまぁ。一応公認のカップルになりつつあるし、もっとイチャついてみるのもアリじゃろ。色々と噂が流れれば丸井だって気にしてくるはず」
確かにここ3日間、仁王と2人で昼休みとか過ごしてて色々な子達から「付き合ってんの?」と、よく聞かれた。
ウソだけどね。
ウンって言ったけどね。
「じゃ、さっそくカップルっぽいことするかのう」
「えー‥」
「マネの弁当の卵焼きをくれ」
「あ、うん。どうぞ…」
「あーん」
「へ?」
「はよ、口に入れんしゃい」
えーーっ!!!
それって私が仁王の口に“あーん”って卵焼きを放り込むってこと!!?
そんなの恥ずかしいよ!!!
只でさえ私達のいるベンチは中庭にいる子達にはもちろん、教室の窓や通路から丸見えなのに!!!
そんな恥ずかしいことできないよ!!!
「マネ、顎が疲れてきた」
「えぇー‥」
あーっもう!!分かったよ!!やりますよ!!やればいいんでしょ!!!やれば!!!
「はい」
そう言いながら仁王の口に卵焼きを放り込む。
あー!恥ずかしかった!!
「甘い」
「いーでしょ!あたし甘いのが好きなの」
「自分で作ったんか?」
「まさか!!お母さんだよ」
「そうか。今度はマネの手作り弁当が食べたいのう」
「ヤ、ヤダよ」
「何で?昼休みに丸井の前で渡したら何か反応があるかもしれんよ?」
あー、またそうゆう言い方する。
仁王って本当に策士だよな…。
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