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「アンタの言う通りかも…」
昼休み私は仁王と2人で屋上に来た。
#5 自覚
昼休みの屋上はお弁当を持って来て食べたりしている生徒が多かったりする。
けれど、ついさっきまで雨が降っていたため、地面の濡れた屋上には私達以外誰もいない。
「…いきなり屋上に連れて来られたと思ったら…いったい何の話しとるん?」
フェンスにもたれた仁王が不思議そうに私を見る。
「だからさぁ…昨日から考えてたんだけど…あたしさ…」
「うん?」
「す、好き…みたいなんだよね…」
ヤバイ照れる!!!
言葉にしたら恥ずかしくなってつい顔を伏せた。
すると塞ぎこんだ顔を仁王によって持ち上げられた。
仁王の片手が私の顎を掴み、顔の距離がメチャメチャ近い。
「ちょっ!!にお…っ!!!」
「知らんかったのう。マネが俺を好いとうとは」
はっ!!!?
「ち、ちちちち、違う!!!仁王じゃなくてブン太!!ブン太のこと好きって言ったの!!!」
仁王の勘違いに驚いて思い切り突き飛ばした。
なのに笑ってるしこの男!!
「ははっ。分かっとるって。本当にからかい甲斐があるのうマネは」
やっぱり!!この男は!!!
「もう、いちいちからかわなくてもいいでしょ!!」
「いちいち反応が可愛いマネが悪いんじゃろ」
「あー、はいはい。わかりましたよ」
「脱線したな。で?自覚してどーよ?」
誰のせいで脱線したと思ってんの!!
「ど、どーって…いつから好きだったのかな…とか思う…」
「そんなん1年の時からじゃろ?」
「えぇ!!?そんなに前から!!?」
「少なくても俺達はそれくらいからオフタリさんは両想いだと思っとったよ」
仁王の発言の“俺達は…”ってダレ…?
ってゆーか何か恥ずかしい。
「はぁー‥仁王に気付かせてもらったようなもんだし一応報告しておこうと思ったんだよね…これからどうなるか分かんないけど…」
「わざわざ報告ありがとな。で?“どうなるか分からない”とは?」
「だってあたし告白する気ないもん」
「なんで」
「ブン太はあたしのこと恋愛対象として見てないから…。それを分かってて告白して気まずくなりたくない…」
私の言ったことに仁王は少し黙り込んだ。
何かを考えてるように見える。
「丸井だって自覚しとらんだけでマネのこと好いとうはず。告白して意識させるんも手じゃないか?」
「えー!!意識どころか気まずくなって無視とかされるよーになったらどうすんの!!?」
「無視されるイコール意識されてるってことじゃないのか?もっと前向きに考えてみんしゃい」
「無理ぃ…。仁王の作戦はあたしには重荷だよぉ~」
思わず脱力してしゃがみ込む。
そんな私の頭をポンポン叩く仁王。
「要は丸井にマネを女と意識させることが重要なわけ」
「それが無理だから困ってるんでしょー‥」
「…違う方法で意識させるってのはどう?」
「違う方法?」
仁王の話に顔を上げると仁王もしゃがみ込んで私の耳元まで接近してきた。
そしてこう言った。
「俺と付き合うんじゃ」
一瞬言葉が出てこなかった。
え?何で?何で仁王と付き合うことがブン太を意識させるの?
意味わかんないしっ!!!!
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