ボーダーライン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おはよー」
勢いよく部室のドアが開いたと思ったらマネが入って来た。
「あれ?まだ真田達は来てないんだ?」
そう言って辺りを見渡すマネ。
フッと目が合うと何だか後ろめたい気持ちになってそらしてしまった。
ってか何で後ろめたく思うよ俺。
別に後ろめたいことなんてしてねぇし。
つーか絶対不自然な避け方だったよな。
ほら、マネのヤツ首傾けて不思議そうな顔してるじゃんか。
アホか俺は。
「ねぇー、皆して椅子に座って何話してたの?」
おわ!!食いついてきた!!
「おうマネ、きっとお前さんも知らん話じゃろうな」
「え?何々!!?」
おおぉい!!!興味しんしんに飛びついてるよ!!!
「あんなーーー‥」
「あぁーーーーーーーっ!!!!」
部室中に響く俺の叫び声。
「ブン太!!うるさいんだけど!!」
噛み付くように睨んでくるマネ。
ウゼェな。
「お前は知らなくてもいい話なんだよ!!!」
「何それ!!あたしだけ仲間はずれにする気!!?」
「だからどうでもいい話なんだっての!!!」
「どうでもいい話聞いて何が悪いのよ!!!」
「うるせぇーーーーっ!!!」
俺達の言い争いを柳生は中指で眼鏡を上げながら見ている。
赤也は机に右肘をつきながら見上げている。
仁王は腕を組みながら妖しい笑みを浮かべている。
なんだよコイツら!!!
なんなんだよ俺は!!!
なんで俺はこうまでしてマネに知られたくないんだ!!?
………。
そういえば付き合ったことすら言ってなかったよな。
そういう話題が出ないせいだと思ってたけど。
俺、マネに知られたくない…?
「丸井の初体験話しとったんじゃよ」
「え?」
「中2の夏に当時付き合ってた3年生とヤッタらしいッスよ」
仁王と赤也が黙ってるはずないよな。
ってかクチ止めしてたわけでもねーし。
別にいいけどよ。
「…ブン太…童貞じゃないの…?」
キョトンとした顔で見てくるマネ。
って、やたらダイレクトな聞き方だな!!
「お前さぁ、俺を誰だと思ってんの?丸井ブン太様だぜい?15年間生きてたらフツーに通る道に決まってるだろい」
なんとなくそう言い捨てた。
その時
マネの大きく見開いたその目が微かに潤んだように見えた。
なんだ?
なんだあれ。
気のせいか?
涙…?
#3終