ボーダーライン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねぇ、ドラゴンボールの続き貸してよ」
帰り道、突然俺の家に押しかけたマネ。
持って帰るのが面倒だと言い出したり。
読んでから帰ると言い出したり。
ベッドを占領した上に“お菓子ないのー?”なんて言い出したり。
ワガママな女だ。
なんて、知ってるけどよ。
#2 特別
授業中、俺はぼんやり窓の外を見ていた。
国語は得意科目なのにちっとも頭に入ってきやしない。
眠い。
完全な寝不足だ。
実のところ昨夜は寝た気がしなかった。
それはベッドが狭かったとかそういう問題じゃない。
マネが隣にいたからだ。
最初は急に寝ちまったアイツを叩き起こそうとした。
でもあの寝顔を見たら起こせなくなった。
ヨダレをたらしながらクチを開けたアホ面。
その無邪気な寝顔から目が離せなかった。
隣で寝てるアイツを、ただただ見ていたかっただけ。
大人しく寝てると思えば、いきなり寝返りうって蹴飛ばしてくるし、すぐ布団からはみ出すし。
落ち着いて寝られるはずがない。
母性愛っていうか、我が子を見守る感覚?
そんな感じだった。
“俺だったら襲っちょる”
仁王。
アイツ本気で言ったのか?
つかめないヤツだかんな。
よく分かんねぇけど。
俺はマネをそんなふうに見れない。
テニス部マネージャーで1、2、3年と連続で同じクラス。
1年の頃から気が合って、よく遊ぶしケンカもする。
“付き合ってる?”なんて何回誤解されたことか。
それでもお互い意識してこなかったのは、俺達にそんな感情が全くないからだ。
多分このままアイツに恋をする日なんて来ないと思う。
アイツは性別を越えた俺の特別なヤツだから。
.