夜の魔法?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あ!部室の鍵閉めるの忘れちゃった…」
自宅までの道のり、あと半分のところで気付いた。
どうしよう…。
時刻は8時前。
今からダッシュで学校に行くと8時半くらいか…。
前にも一度閉め忘れたことがあって手塚に、こっぴどく説教されたし…。
部室の鍵を持ってるのは部長の手塚と副部長の大石。
そしてマネージャーの私。
大石なら優しいし電話で「鍵閉め忘れちゃったんだけど閉めて来てもらえる?」ってお願いすれば行ってくれそう。
…いやいや、自分のミスなのに他人に任せるのはどうなの?
でも今から一人で学校に引き返すのって心細いなぁ…。
真っ暗の学校って静かで怖いし…。
明日の朝一に手塚が来る前に部室に行けばバレずにすむかな…。
いやいや、それもなぁ…。
「ねぇ、何さっきから一人で面白い顔してんの?マネ先輩」
「え?」
正面からの聞き覚えのある声に顔を上げるとリョーマが立っていた。
ずっと考え込んでたから全然気付かなかった。
「こんな暗い道に突っ立ってると、いくら先輩でも危ないんじゃない?」
「ちょっと!“いくら先輩でも”ってどうゆう意味よ」
「別に」
もう!!本当に生意気なんだから!!
…ん?そう言えばリョーマは何でここにいるんだろう?
確か私が部誌を書いてる時に桃と帰ってったよね?
「リョーマ今帰り?遅くない?」
「桃先輩とマックよってたから」
「えー?夕飯がハンバーガー?そんなんだから大きくならないんだよ」
「…余計なお世話ッス」
不機嫌そうにそっぽを向くリョーマ。
またやっちゃった!!!
ダメだな私ってば…。
こんなんだから“無神経”って言われるんだよね。
この間も英二に「マネって無神経だよね」って怒られちゃったし。
何か気に障ることを言ったんだろうけど、それさえも気付かない私は不二曰く相当鈍感らしい。
とにかく私は色々と気をつけなくちゃいけないことが多過ぎる。
改善しなければ…。
「で?先輩は?どうしたの?」
「え?」
「面白い顔してたじゃない。何?考え事?」
何だっけ…何か大事なことを忘れ……。
あ!!
「そうだった!!忘れてた!!鍵!!!」
「え?」
「部室の鍵閉め忘れちゃったの!!」
「マネ先輩…」
「な、何?」
「ドジ」
「それを言わないで…」
後輩にまでバカにされるなんて…。
確かに私はドジですよぉ。
忘れっぽくてよく手塚にも怒られてますよぉ。
分かってるけどさ、もっと優しくしてくれたって…。
「ファンタ」
「え?」
「ファンタおごってくれるんなら部室まで俺も付き合ってあげるよ」
ぶっきらぼうだけど優しく微笑むリョーマ。
月の光が映えて、なんだかたくましく見えた。
「本当?」
「どうせ一人じゃ怖くて行けないでしょ?」
「う…っ」
「だからさっき道端で躊躇してたんでしょ?」
「…はい…」
「子供みたい」
「な…っ!!リョーマ!!!」
「ほら、早く。行くよ」
そう言ってスタスタ学校へ向かって歩くリョーマ。
もう!!優しいんだか生意気なんだか、どっちかにしてよ!!!
.